• 恋愛
  • 現代ファンタジー

あとがき――雨が降ったら ここへおいでよ


このお話は、今から6年くらい前に書いた短編と、その後に続けて書いた幾つかの短編を1つにまとめたものです。

信州の山あいの小さな町で育ち、小中高と図書委員だった私にとって、図書館は特別な場所でした。教室よりも、他のどこよりも、図書館が好きで入り浸っていた…。そんな図書委員経験者が、私の他にもいるのではないかと思います。そんな図書館への思い入れが、このお話を書くきっかけの一つでした。

もう一つのきっかけは、(もうだいぶん古い曲ですが)LINDBERGのアルバム曲 "Looking for a rainbow" を思い出したコトでした。

"不良" になってしまった幼なじみの女の子を思う、高校生の主人公の切ない気持ちを歌った曲で、学校を辞める側と残る側、離ればなれになってしまった二人を思った時、どこかでそれを変えられたんじゃないか… と考えて、それが第一話の教室のシーンにつながりました。

自他ともに認める「普通の子」の麻衣は臆病なところがあって、普通からは外れてしまった絵里香に、みんなの前では話しかけることができません。
でも、誰もいない教室で、ちょっとだけ勇気を出せたら…。
その小さな一歩は、二人の関係を少しずつ変えていくかも知れない。実際に変わっていく二人の姿を、2話目、3話目と回を重ねながら描くことができて、とても楽しかったのを覚えています。

幼なじみを特別に思う麻衣の気持ちは、友情や親愛の情から、少しずつ形を変えていきました。
どこで麻衣の気持ちに気付いたかは私も分かりませんが、絵里香もその思いを受け止めて、麻衣と一緒にいるコトを選びました。

外見も性格も「普通」で、引っ込み思案の麻衣。
見た目は派手だけどクールで天然なところもある絵里香。

正反対の二人ですが、お互いを特別に思う気持ちはとても強くて、けっこう上手くいくんじゃないかと思っています。

読んで下さって、ありがとうございました。

2024.10.22 黒川 亜季
(in 魔法のiらんど:2020.6.15)

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する