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あとがき――『友達』の境界線


https://kakuyomu.jp/works/16818093090436870162


このお話は、山あいの小さな町を舞台にした、幼なじみの二人――三穂由貴子と古萩未玲――を描いた連作短編「私は彼女が好きじゃない」の続編にあたります。

魔法のiらんどで行われた企画「恋シチュ×10テーマ」に参加しようと思って書き始めた「私は彼女が好きじゃない」ですが、イベント期間が終わった後、由貴子と未玲のコトをもう少し追いかけたいな… と思って書いたのが「最初に君に読んでほしい」と、本作「『友達』の境界線」でした。

「最初に君に読んでほしい」は、未玲から見た由貴子を描きました。本作では、語り手を由貴子に戻しています。

幼い頃から一緒にいることが当たり前だった二人は、成長につれて関係性も変わっていきます。由貴子は難しい思春期を過ごしたせいか、極端で苦労の多い変わり方をしましたが、マイペースな未玲の由貴子への想いはその間も変わりませんでした。

由貴子は、未玲にひどいことをしたという罪悪感にも苦しみましたが、未玲からの想いを受けとめ、それから自分の中にあった想いにも向き合います。過去を変えることはできないけれど、これから先はどんな形にも変えていける。由貴子がたどり着いた答えはありきたりなコトかも知れないけれど、それは多くの人にとって大切だからこそ、なのだと思っています。

"これまで" を清算するような、不意打ちのキス

"これから" につながる、お互いの想いを確かめながらのキス

由貴子にとっても、未玲にとっても、この二つの思い出はきっと大切な宝物になるでしょう。

2024.12.24 黒川亜季
(in 魔法のiらんど:2019.11.13)

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