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「花旦綺羅演戯」裏話④京劇の基本功について&短編もよろしくお願いします

毎日更新中の「花旦綺羅演戯 ~娘役者は後宮に舞う~」(https://kakuyomu.jp/works/16817330647645850625)のほか、カクヨムコンには短編でも参加しております。短編、今のところは方向性の異なるヴァンパイアものが2作品です。コレクションに纏めておりますので(https://kakuyomu.jp/users/Veilchen/collections/16817330650236183751)、よろしければ覗いてみてくださいますように。

 花旦綺羅~で本格的な練習シーンの描写が入ってきましたので、今回は実際のところどんなことをやっているのかの参考に、動画をご紹介したいと思います。百聞不如一見《ひゃくぶんはいっけんにしかず》、と言いますし。

https://www.youtube.com/watch?v=C_f68Yfq4Eo&t=641s
 まずは、作中で柔軟体操、とルビを振った腰腿功《ヤオトゥイゴン》の参考動画がこちら。準備運動などでは決してない、これ自体が高度な筋力や柔軟性を要求されるハードな訓練だということがお分かりいただけますでしょう……。作中の描写としては、準備運動をしないはずはない、けれど「準備体操」「柔軟体操」とそのまま記述するのは雰囲気にそぐわないので、意味が異なることを承知で腰腿功《じゅうなんたいそう》、という表記にしたのでした。

https://www.youtube.com/watch?v=ea28J11Isp4
 続いて、燦珠が実演した毯子功《ダンツーゴン》の参考動画がこちら。
 絨毯の「毯」の字を使うことから分かる通り、マットの上でやる一連の動作、という意味のようです。知らないで見たら演劇ではなく武術の型と思ってしまいそうな、しなやかかつキレのある動きは同じ人間とは思えませんね……! 京劇と武術の接点についてはまた後日語りたいと思います。
 技の名前は作中でも使わせてもらっていますが、ぶっちゃけた話、見ても何をしている技なのか分からないので文章で描写しようがないものも多々あったりします。

 上記ふたつの動画は、香港の演劇関係者組合・八和會館が広報の一環で作成したもの、ということのようです。ほかにも京劇の基本技(これで基本なんですよ……恐ろしい……)や衣装の着付けのし方も紹介してくれているので大変参考になっています。今の時代で良かった……!

 文字書きとしては文章で描写しきれたら良いのですが、やはり映像の情報量には敵わない部分もありますので、本作を切っ掛けに絢爛豪華な京劇の世界に触れてみてはいかがでしょうか。練習だけでなく、YouTubeでは実際の演目も色々と見ることができますので。

 ちなみに私は田中芳樹先生のファンですが、竜王の生まれ変わりの四兄弟を主人公にした伝奇アクション「創竜伝」シリーズで(特に終君の動きについて)「京劇役者さながらの」との描写がしばしば出てきた記憶があります。本作を書くために付け焼刃とはいえ京劇の勉強をした結果、その描写の解像度が二十年越しで劇的に上がったことを最後に付け加えておきます。訓練もなしにあの超人的な動きができる竜堂兄弟はすごい、し、訓練によって竜王の転生体に匹敵する動きができる京劇役者もすごい、ということになるのでしょう。
 燦珠たちの身体能力について、最初は「盛り過ぎかな?」と思いながら書いていたのですが、実際の京劇の動きを見るうちに「これくらい大丈夫大丈夫!」になっていったりもしています。事実は小説より奇なり、ということでここはひとつ。

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