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えっと、あと書きです。3

 第5回星新一ショートショートコンテストを受賞したぼくが、授賞式の前に、東京エヌ氏の会の例会に出席した時のこと。
 喫茶店での例会で、受賞したよ、と言ったら、会員の一人が「ぼくの先輩も受賞しましたよ。井上雅彦といって」と。そしたら、喫茶店のとなりのブースのやはりSFのファンダムグループの中の人から声。
「おーい。ぼくも受賞したよ」齋藤肇という人。
 全国で11人しかいない受賞者のうち、3人があっという間に集まってしまったのでした。

 で、授賞式で顔を合わせ、話をしているうちに、ほかの受賞者にも声をかけ、会を作ろうじゃないか、ということになりまして。名前は「AんI」。
 てなわけで、会誌を作り、ほかの回の受賞者にも声をかけ、その人たちを中心にした会に成長していって。
 講談社のショートショートランド誌に持ち込むほかに、出版社に自分たちを売り込むような会誌づくりもやろうじゃないか、とかいう話になり。
 会長の齋藤肇さんは、何冊もミステリの単行本を出し、井上雅彦さんは単行本のほかに「異形シリーズ」という書き下ろしのアンソロジー集をたくさん出してヒットさせました。会員の矢崎麗夜(第7回受賞者)は、矢崎存美と改名して「ぶたぶた」シリーズをヒットさせています。

「ゴム・スパイ」 は、会誌の創刊号に乗せた話です。でも、後で気がついたら、山の手線の信号機やら建物やらに引っかかって、一周したら、まるまる一周分、円を描いて伸びちゃうんですよねー。話では、主人公はそんなことに気がつかない方が幸せなんで、書いてませんが。まあ、ゴムになった時のような奇跡が起こって、また助かることを祈るのみです。鶴亀鶴亀。

「かかったな!」 も会誌に乗せたもの。会長の齋藤さんの冗談好きで、会の存在も冗談じみていまして。その風潮に乗せた話。ショートショートランドの宇山さんに「DIAって、そんなんじゃないですよ」っていわれてしまいましたが、いいじゃないですか、冗談なんだから。

 今回、会誌を探しても、紛失してしまって手元になく、齋藤さんや会員の廣澤さんたちのご協力を得て、送っていただいたのが、次の2編です。

「カップ一杯の逆鱗」 は「ロボットたちの冬」の続編にあたる私小説です。まあ、詳しくはふれませんが。

「みんなの科学教室 光速について」 は、少々こじつけが過ぎるのは認めますが、いいんです。こういう強引なこじつけが好きなんですから。

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