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根源に触れる時の気持ち悪さ


 ふと、大昔は赤ん坊が生まれるとき、へその緒はどうしたのだろうという疑問がわいた。

 今はハサミで切るのだろうが、昔はそんなものはない。かといって切らないわけにもいかない。

 へその緒がどの程度頑丈かは分からないが、赤ん坊の首が絞まってしまう事例があるらしい。つまりある程度は強靭でもある。

 調べてみると石をナイフ代わりにしていたとのことだ。その前は、手ということか? それとも歯で……

 そこまで私はえずいた。ダメなのだ。こういう根源に近い話が。
 なんだか触れちゃいけない気がするのだ。

 そんな話を今、必死に書こうとしている。消耗が激しい。
 何度か書き直さなければいけない。

 そのたびに気持ちが悪くなるが、仕方がないのだ。
 作者が気持ち悪くならずして、どうして読者を気持ち悪くさせられようか。

 それに、これを書くことで自分のホラー観の何かが変わる気がするのだ。
 納得いくまでやってみよう。でも完璧を求めてたら終わらないので、どこかで出そう。

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