https://kakuyomu.jp/works/16817139557879395382/episodes/16817330658232536135逆理桜紅葉(さくらともみじ さかさのことわり) 十三の巻「乙女採り奉る」 (その三)
このところの自分の近況ノート、読み直すと「ようやくここまで辿り着いた」という感慨ばかりですが。もちろん今回もそうなのです。やっとここまで!
本作は、執筆着手時点ですでに最終回までのおおよその展開と結末は決定済み。つねに「最終回のあの形にどう持っていくか」と考えながら筆を進めていったわけですが。
「まぁそんなに手間じゃないな、そもそもお話は出来てるんだし、あとは書き進めるだけ……」
と、浅はかに思っていたのが実は大間違い。納得のいく展開にするため、いくつか軌道変更を余儀なくされ……その度にストーリーが大周り。
そしてその中でも最大の大周りだったのが、八の巻~十一の巻までの妖怪戦争でした。予定では、敵の首魁の土蜘蛛以外はキャラはおらず、戦争の顛末も「こういうことがありました、まる」位の、長くても半話分程度(本作なら1000~1500字)のト書きで済ませるはずだったのです。
……終わってみれば、ご覧の通りでしたが(汗)。ただこの大周り、何故始まってしまったのか思いなおすと。
「最終回間際の土蜘蛛の陰惨な復讐に、十分な動機を与える必要性」を私が感じたからでした。「何故彼は【そこまでして】蛇神に復讐したいのか?」を描いておかないと、「そこまでする」描写が薄っぺらになるのでは、と危惧したからでした。
そして、本章でついに彼は「そこまで」やり遂げた。「執念」の描写において、作者の私の現時点での限界に挑戦し、やり切った感とシンクロするのです。
自画自賛ですが、彼は実にいい悪役になってくれました。正直、惚れています。
彼の最後の「雄姿」を是非、お読みいただければと思います。
なお今回も劇中歌のご紹介をば。
YouTubeで …
https://youtu.be/uyQXJd2GxP0ニコニコ動画で …
https://www.nicovideo.jp/watch/sm15400496 曲は私の作品なので色々と未熟だったりするわけですが、歌うは、今や世界的電子アイドル、御存じ「初音ミク」。そしてそもそも「ミクのあの声でホラーを歌わせたら、ギャップ萌えで面白くなるんじゃないか」という発想で出来た曲で。
小説の方の内容でお分かりの通り、声はミクちゃんですが、歌ってるのは実は土蜘蛛のオッサン(!)という……想像すると実にイヤ~ンな感じ。
この曲がベースなので、本作の姫は作者の私にとっては最初から最後まで一貫して初音ミクのイメージ。姫の声が「まるで鈴虫のよう」という描写があるのはそのためです。
でも歌っているのは、繰り返しますが、土蜘蛛です。皆さまも、是非聴いてイヤ~ンとなって下さい(コラ)。