【執筆中のつぶやき】
小説の中の「恋愛」要素。
恋愛小説なら当然のこと、そうでない作品でも「恋愛」が重要になってくることは、よくあるのではないかと思います。
想いが実れば、それは幸せなことですが、実らない想いもある……。
そんな「フラレてしまうキャラ」について。
彼(彼女)は、何故、フラレたのか。
フラレて当然の、嫌なヤツなのか?
それとも、恋した相手と、たまたま縁がなかっただけなのか?
作者として描くとき、私の好みは後者です。
……だって、どんなキャラも、自分の大切なキャラなのですから、魅力のない、嫌なヤツとは思いたくないのです。
そんなわけで、「フラれる回」では、フラれるキャラを最高に格好良く描きたい。
読者に「なんで、こんないい男(女)がフラレるの!?」と言わせたい。
これが、私の美学です。
【カクヨムコン】
下記作品で参加しております。
〈長編部門〉
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517「天と地が手を繋ぎ合うような奇跡の出逢いは、仕組まれた運命の輪環を廻す」
囚われた家族を助けるため、マフィアの一族のもとを訪れた貴族の少女。
そこから始まる「仕組まれた」ボーイ・ミーツ・ガール。
近現代の東洋、架空の王国を舞台に繰り広げられる
権謀渦巻く、SFアクション・ファンタジー
〈短編部門〉
『機械仕掛けの御伽噺』
https://kakuyomu.jp/works/16817330664438382898「言葉の足りない人たちに。――機械仕掛けの笑顔を添えて」
これは、ほんの少しだけ未来の物語。
保育園に空きがないため、清掃職員の母親と共に老人ホームで生活する四歳の男の子、希於《キオ》。
無邪気な彼と、彼を取り巻く「言葉の足りない」人々の、心優しい御伽噺。
よろしくお願いいたします。
【更新予定】
厨房を飛び出したミンウェイは、知らず、硝子の温室に来ていた。
お気に入りのガーデンチェアーに腰掛け、テーブルに突っ伏す。
向かいに置かれた、もう一脚の椅子は……空席だった。
がさり。
背後で、枝葉の揺れる音がする。
「こんなところで待っていても、あいつは来ないぞ」
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517 第三部 海誓山盟 第二章 黄泉路の枷鎖よ
6.硝子の華の情愛-2
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517/episodes/16817330665464756848 (公開時間になりましたら、アクセスできます)
明日、金曜日 20:20 投稿します。
※第三部 第二章は、
2023年9月1日 ~ 2024年2月9日 毎週金曜日 20:20 定期更新です。
【制作ノート】
以下、恒例の執筆裏話「制作ノート」です。
(少しネタバレを含むため、スペースを空けます)
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「このエピソードは、目線はミンウェイでも、主役はリュイセン」
(今回は、ちょっと長く語らせてください……)
ついに、このエピソードに来ました……。
リュイセンと、リュイセンを応援してくださった方々には、本当に申し訳ないのですが、このエピソードをもって、リュイセンはミンウェイへの想いを完全に断ち切ります。
第二部 第八章で〈蝿《ムスカ》〉が死んだ後、ミンウェイが「ファンルゥの部屋=小さな女の子の部屋」に向かったとき、リュイセンはシュアンに後を追わせます。
何故そうしたのかと言えば、その直前に「ミンウェイが、リュイセンに向かって無理に笑った」から。
自分の前では決して弱いところを見せないミンウェイは、自分がいると泣くことができない。だから、シュアンに託しました。
このときから、リュイセンは、ミンウェイをシュアンに託そう――と思っています。
第三部開始時に、リュイセンが髪を切ったのは、暑かったからではなく、失恋したと実感したため。
とっくに心の準備はできているのに、「なんで、ミンウェイもシュアンも行動を起こさないんだよ!?」と、「いやまぁ、分かっているよ? ふたりとも、そういう性格なんだってことはよ!」――というわけで、一肌脱いだのが、今回のエピソードでした。
第二部のラストで「リュイセンが次期総帥になる」という展開にしたのは、実は、主に、このエピソードのためでした。(勿論、状況的に自然だったからではありますが)
ミンウェイを追放処分にするだけなら、イーレオで可能だけれど、「リュイセンが宣言する」ことに意味がある、と思ったのです。
こうして、リュイセンはミンウェイを送り出します。
〈蝿《ムスカ》〉やヘイシャオの代わりのような、一番身近な存在として。
ミンウェイはずっと、リュイセンのことを「年下の小さな男の子」と見ていましたが、今回だけは「父親代わりの身内の男性」と感じたことと思います。
リュイセン、こんなにいい男なのに! 本当にごめんなさい!
『デヴァイン・シンフォニア』では、振られたほうがいい男ですし、いい女です(断言)。
スーリンも、そうです。優しい嘘の演技を貫いた彼女は、(ちょっと小ずるくて)最高にいい女だったと思います。
そして、もう一件、語りたいこと。
「チェアー二脚とテーブルとで鋳物三点セット」
ミンウェイの温室にある、この三点セットが初めて出てきたのは、『第二部 第三章 4.硝子の華の憂愁-1』(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517/episodes/1177354054915707605 )です。↓
シュアンは手の中で拳銃をくるりと回し、胸のホルスターに収める。そして、テーブルを挟んだ反対側のガーデンチェアーに勝手に腰掛けた。
チェアー二脚とテーブルとで鋳物三点セットなのだ。この温室の雰囲気にぴったりと思って購入したのだが、向かいの椅子に誰かが座るのは初めてかもしれない。
実は、『向かいの椅子』に座ったことがあるのは、シュアンだけです。
リュイセンが温室に来たことはありますが、この椅子には座ってはいないのです。
シュアンは、温室に来るたびに勝手に座っていて、『第二章 第八章 1.咲き誇りし華の根源-2』(
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517/episodes/16816700428890954127 )では、「俺はちょいと、『座りたい椅子』があるんでね」と言って、自分がクローンだと知ってショックを受けるミンウェイのことを、この椅子に座って待っています。
……はい。この椅子には、「ミンウェイの心」という裏の意味があったのでした。
設定的にはバレバレだと思うのですが、何しろ連載期間が長すぎるので、誰も気づいていないんじゃないかな……。
【次回予告】
新しく移された監獄で、シュアンは傷を癒やしていた。
走れるまで回復したら脱獄を試みて、途中で射殺されればよいと。
そんなある日。
いかにも後ろ暗いところのありそうな看守が、彼に言う。
「お前が斑目一族の指示で動いていた、ってのは、本当だったんだなぁ」
『di;vine+sin;fonia ~デヴァイン・シンフォニア~』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881135517 第三部 海誓山盟 第二章 黄泉路の枷鎖よ
7.運命を断ち切る女神-1
よろしくお願いいたします。