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晴々とした寂しさというか閉塞感

どハマりした作品を読み終えた(観終えた)時、私は表題の気分になります。
ハッピーエンドでもバッドエンドでも同じで、とにかく物語が一つの閉じた世界に収まって、作中人物たちと一緒になってそれを体験していた自分だけが弾き出され、現実に取り残された気分。
閉塞を感じるのは、作品が閉じたからなのか自分が閉め出されたからなのか、どっちとも取れていまだによくわかりません。

こんな時は二次創作をやる人の気分がよくわかります。
つまり完結した作品の世界を少しでも広げつつ、それでもってその広げるという中に個人的な解釈や願望を織り込むことで自分好みに作品を補完し、また己の精神の所産を作品と接続することにより閉じたはずの作品世界との間に再びアクティブな通路を開こうというわけです。

前置きがやたらと長くなりましたが、似鳥鶏の「市立高校シリーズ」、既刊七作を読み終えました。
普段この近況ノートは作品を公開した時にしか書いてないのですが、読み終えたところでつい今の気分を留めたくなりました。
正直に、シリーズ中三回涙腺が崩壊したことを付け加えます。ネタバレにならない程度に書くと「ありがとう」「今日から一人で帰ります」「行け!」のところ。全部セリフですね。本当にセリフの喋らせ方のうまい作者です。

さてこのシリーズの今後、幸いにも最新作の中でまだ続くと書かれていますが、作品の特殊な事情によりそれが本当なのか、それとも続くという言葉自体が虚構の内なのか、判断が難しい……
続刊の刊行を心から祈ります。

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