小此木センウ

石油の起源を探る地質学者夫婦。折りしも人間が蠟化する病が流行し、妻も病に倒れる。二人は石油の真の起源を突き止めることができるのか。 註:作中の石油起源にまつわる論争は、本当の話…

人の思念によって動く半自動機械「カリヨン」が使役される世界。技術者として天賦の才を持ちながら表社会を去り、場末で「失せもの屋」を営む少年と「半人形」の相棒は、カリヨンを巡る事件の…

台風が過ぎたら突然真夏になりました。 「残暑」なんて言葉もいつ使ったらいいのかわからなくなってしまいましたね。 第2回「エイル&クロノヒョウコラボ企画」に参加させていただきました。

似た物同士の彼女の場合もそれは同じでした。 第28回「2000文字以内でお題に挑戦！」企画に参加させていただきました。

第十三番聖典の記述に導かれ、忘れられた城を訪れた剣士と魔導士。二人の願いは叶うのか、そしてその願いは何だったのか。 第1回「エイル&クロノヒョウコラボ企画」に参加させていただきま…

生者と死者の世界の境にある比良坂市。そこで貸本屋を営む一乗さんの店では、今日も不可思議な書物を巡って事件が巻き起こるーー

純文学というものが何なのか、いまだによくわかりません。そこで尊敬する川端康成、吉田健一、倉橋由美子の構成要素を抜き出して分離して上澄みを集めると、「芸術至上主義」と「ペダンチズム…

海辺の漁村に育った私の人生は、幼いころ世話をしてもらったさな、結婚相手のいを、最後に現れたとわ、そっくりの相貌を持つ三人と共に、人魚の鱗を軸にしてどこまでも廻っていく。

巨人の現れる悪夢に連日悩まされる私。妻の提案で対処法を見出すが、その先に待っていたものはーー

美術の授業で風景を描くことになった三好さんは、自分だけの秘密の場所に来る。ところが同じクラスの細川くんがそこを訪れ、二人は絵を見せ合うことになる。

外出を禁じられた大潮の晩、少女は密かに渚へと出かける。噂に過ぎなかったはずの人魚を、少女はそこで見つけるーー

ある大学の施設には、密かに「幻獣」たちが集められている。既知科学の範疇外をたゆたう彼らは見る者に何を与え、何を奪うのか

ある朝気がかりな夢から覚めると、隣に虫の幻があった。家を出た私は、街中が幻に侵されていると知る。 これはナノマシンの暴走なのか、絶滅した昆虫の復讐なのか、それともーー

斬新な演奏で聴衆を虜にしてきたピアニストには、バッハの演奏がなかった。彼女の演奏は何故、人を魅了するのか。彼女は何故、シャコンヌを弾かないのか。そして人は何故、音楽美を理解するの…

民話の収集で村を訪ねた私は、「いまも」という怪異を知る。土地の老人と共に、「いまも」に縁の深いという峠のほこらに向かった私は、そこで現実離れした出来事に遭遇する。

此岸で死を迎えた人が訪れる、一面に彼岸花の咲く野。墓守兼探偵の私は少女とともに、少女が死の際に抱いていた想いを垣間見る。

雨宿りに立ち寄った画廊で、私は一枚の風景画に出会う。そこには現実に存在しない光景が描かれていた。

二人は今日も川面に、不思議な少年の顔を見る。少年を通じて、過去と現在、二つの思いが一体となるーー

架空の中世、架空の中欧。魔王の支配するリブシェと、人間の王国ヴィシェフラトとの争いが続く世界。ヴィシェフラト軍の魔導士の隊長、マルトは敵将ジークリンデと戦い、その魔力の源泉である…

故郷の集落にある「本家」を訪問した、民俗学を研究する「私」。初めて入るその奥の間に、「さか柱」の怪異を見る。それは故郷の繁栄、また衰亡、両方の徴だった。