前回の近況ノートで書いた通りコーエーの三国志14を買いまして、文筆家ということで孔子二十世の子孫、北海太守の孔融でプレイ中です。史実だと学者らしく空気読まない発言を繰り返した結果、曹操に処刑されちゃったお方です。
MAXが100で設定された各能力値のうち、武力が5という衝撃的な数値なので、本人は戦争せず領土拡張は部下任せです。人口稠密地を中心に全土の30%以上を確保し終わり、後は消化試合に移りつつあります。
本作はかなり面白いと思いますが、中盤以降の手持ち無沙汰感はこの手のシミュレーションの永遠の課題ですね。
降伏勧告がかなり効くようになったのがそこへの対策といえばそうで、弱小勢力を降伏させては家臣団をバラけさせ、領地を入れ替えるという、初期江戸幕府みたいなプレイをしています。
さて一つ気づいたのが、本作では兵士が土地に紐づいてないことです。北京で徴兵した兵士を上海に常駐させられるわけですね。それに対して、最近のノブヤボでは兵士は特定の城に所属しているので、例えば関東から関西を攻めようとしたら、江戸とか小田原とかから出陣した部隊が東海道を西進して大渋滞を起こし、戦闘が終わると今度は帰省ラッシュが起きる。三国志ではこれがなく、あらかじめ戦地の近くの都市に大兵力を駐屯させれば良い。
これってゲームシステムに止まる話ではなく、日本人がいかに土地に根付いていたかの現れだと思います。
同じようなことは大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観ていても感じて、源氏にしろ平氏にしろ、傍流が土着すると本姓とは別にその土地名を姓にするんですよね。平氏→秩父氏→畠山氏 みたいな感じで。日本人の苗字の種類が中国と比べてとんでもなく多い理由はおそらくこれなんでしょうね。
日本は元々異民族の侵略を受けにくい環境で、多分生産性も低かったので、農民は基本的に大事にされて難民化することが少なかったという事情がその背後にあると思います。
土地が盤石だと人間は血縁より地縁を頼るようになる、だから源平藤橘よりも根拠地名の方が重要なんでしょう。
今の日本人の気質は江戸時代に作られたものだということが時々言われますが、苗字のことを考えると、日本の国民性は地政的に決まっていたのかもしれません。
さてこんな他愛無い考えをうまく作品に活かせると面白いんですが、私の場合、世界設定を考え始めると、こうなったのはこうだったから、そうなったのはああだったから……と延々遡ってしまい、むしろマイナス効果になってる気もします。
この前公開したバディものも、科学設定と産業技術の折り合いをどうつけるかという、本筋とまったく関係ないところで色々悩んでしまい、ゲームで止まってる以上に筆が進みません……