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『SINGULAR BLADES』設定メモ11:企業・団体など(1)

企業などの組織に関する設定その1。
毎度のことながら、今後の設定メンテで内容が変わる可能性は常にあり。
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【ドレクスラー・コーポレーション】
 ナノマシナリーテクノロジーの最大手にして、劇中の時代における「三種の神器」のひとつ、汎用ナノアセンブラシステム“アゾット”のライセンスを持つメーカー。銀河連邦議会への影響力もトップクラスに強く、銀河系の実質的な支配組織の一角であると言える。

 企業でありながら惑星どころか星系レベルの委任統治領を保有しており、傘下のグループ企業は工業・化学・医療など多業種にわたる。取引相手ともなるとあらゆる業界がドレクスラーの技術に何らかの形で依存していると言ってもよく、連邦経済の要石たる彼らに逆らえる権力主体は非常に限られていた。しかし革命軍“ザナドゥ”にじわじわと技術を解析され、企業連の盟主とも呼ばれた絶対的な地位は静かに揺らぎ始めている。


【エピキュリアン・メディコープ】
 製薬業界最大手。栄養補助サプリメントから専門の医薬品までを開発・生産する。
 EAM(Emotion Adjustment Medicine/感情調整薬剤、イーム)と呼ばれる合法ドラッグのひとつ、“神丸(アムブロシア)”の製造元として知られる。これは生化学的な副作用が絶無で、安全にトリップできることから、主星系の人々のライフスタイルを変えるほどのベストセラー商品となった。分解酵素を同梱することで副作用ゼロを謳い文句にしてはいるものの、酵素を除去した改造製品が裏で出回っており、これを服用すると神経系に異常を来す。

 反EAM団体からは目の敵にされ、人類総白痴化を目論む悪の企業帝国と看做されている。社の警備部門が一星系軍に匹敵する戦力を有していることも疑惑の一因。


【ハーディマン・インタープラネタル・ロボティクス】
 軍事用ロボット開発の最大手。人型全領域戦闘機シングラルを最初に実用化した会社であり、現在まで最も多く戦場に出回っている名機“グラディウス”の開発元でもある。
 後継機として開発した“シミター”や“シャムシール”はさほど普及しなかったが、グラディウスのライセンス料だけでも莫大な利益となるため、経営は傾いていない。

 社是は「優秀な兵器は、シンプルかつ安くなければならない」というもの。製品もこれを体現しており、単純構造ゆえの頑丈さが現場の兵士に好まれている。
 シングラル開発のほか、対人オートマトンの設計に関しても優秀な技術者を数多く抱えており、多脚歩行戦車“スタンドクラウン”は重力下の対テロ制圧作戦などに大量投入され戦果を上げてきた。同社のオートマトンはナノ合成不可能な希少物質を必要最低限しか使用しないことにより、極限までコストダウンと整備性の向上が図られている。


【ヴィンチェスター・クリークス・マティーリエ】
 地球時代からの伝統を持つ兵器メーカー。ヴィンチェスター財閥が抱える数多のグループ企業を束ねる持株会社であり、業界第二位の大手。
 MAUS兵器や自律攻撃衛星の技術において右に出る同業他社はなく、手持ちの武器も信頼性の高さから現場の兵士に好まれる。これは歴代社長が軍役経験者で、実戦志向の武器作りを社是としているためである。性能追求のため値段は高め。

 シングラル本体の設計に関してはノウハウが少なく、連邦の募集で次期主力機のコンペが始まってから本格的に着手したため、現状では実験機をいくつも製作してデータ収集にあたっている段階。いずれも自社の強みであるMAUS兵器を標準装備し、単機で空間を制圧できる機体、というコンセプトのもと設計されている。


【ブラックスミス・システムアームズ】
 新興の兵器メーカー。新型のリパルサーアクセラレーションキャノンを開発したことで一躍有名になった。野心を持った若手の技術者が集まっており、設計する兵器は独特の思想・技術に基づいているものが多い。一部では「変態企業」と陰口を叩かれている。

 連邦の次期主力機コンペにも参加している。提出した機体プランはそれぞれ砲撃戦や白兵戦に特化したもので、前衛・後衛を分けての運用が前提となる。汎用性を捨てた分得意レンジでの戦闘能力は絶大だが、乗り手や指揮官に掛ける負担は増大するため、性能をマイルドに調節し直した量産仕様のプランも上がっている。


【フィロストラトス】
 民間軍事会社。公権力との癒着があり、完全に連邦サイドの御用PMC。腐敗したCJPOでさえ公には実行できないような汚れ仕事を任される、闇の外部武力機関のひとつである。

 所属する社員は人格破綻者か、高給に釣られた腕利きか、あるいは反連邦勢力に何らかの個人的憎悪を抱く人間が大半。非人道的作戦をも決断的に遂行する冷徹さの持ち主ばかりで、練度と戦意の質は連邦正規軍を大きく上回る水準にある。また危険を顧みない蛮勇もここの戦闘員の特徴で、正規兵が尻込みするような激戦区・死線への出撃さえ請け負う。これは「そういう戦場の方が敵を多く殺せるから」であり、彼らの狂気が支えた戦線は数知れない。

 反面、人格的には問題のある兵士ばかり抱えてしまっているため、市民へのプレゼンスを意識した軍事行動には投入しにくい。統制の取れた連携が重視されるような作戦も不向き。


【ロートヴァンク家】
 銀河貴族の一門。源流は旧く、地球時代に自動人形<オートマタ>の開発を手掛けた工房にまで遡る。工房を開いた始祖たちは錬金術師の一族であったとも伝えられ、同家の技術基盤には現代まで不可解な点が多い。

 玩具の機巧人形や可動式フィギュアといった嗜好品から、最先端の人型ロボット、サイバネティクス部品までおよそ人体を模した工業製品に関する市場はロートヴァンク・コンツェルンの支配下にあると言える。補助脳や神経接続に関するノウハウも蓄積しているため、人型全領域戦闘機<シングラル>の設計・製造にも関与しており、ハーディマンやヴィンチェスターといった斯業の大手とも太い取引がある。

 一般に知られていない機密ではあるが、ロートヴァンク財閥の中核組織はグループ内で最大の事業規模を誇るロボット・サイバネ関連企業ではない。
 所在を秘匿された人工天体〈マリアの心臓〉に本社を置く、性愛玩人形専門のオーダーメイド工房“シャルク・インダストリア”。巨大なコンツェルンのあらゆる情報と権限が、最終的には一族の本拠たるこの小天体に集まってくる。
 統一銀河連邦が星間企業体群に超法規的特権を与えるのは今に始まったことではないが、ロートヴァンク家は実際の経済的影響力に不相応なほどの治外法権を認められている節がある。このような家系はきわめて危険な高位禁制技術の封印を守っていることが多く、詳細は知られていないものの、ロートヴァンク家も同様であると推測されている。

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