主力射撃武装の設定その2。
毎度のことながら、今後の設定メンテで内容が変わる可能性は常にあり。
(特に数値が出ている箇所)
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【パーティクルドライバー】
有質量粒子加速砲。荷電粒子ビームや中性粒子ビーム、プラズマ砲などが含まれる。
要はイオンや有質量の素粒子を加速し投射する粒子線兵器全般。
実弾ほどではないものの、IDeAで大幅に威力を減衰されるため、どちらかといえば非IDeA目標への攻撃能力を追求したものが多い。
最も一般的なのは反物質を投射するポジトロンドライバーやアンチプロトンドライバー。それより威力は落ちるが安全かつ運用しやすいものとしては、イオンキャノンやプラズマ砲が挙げられる。変わり種として、対物破壊力はほとんどない代わりに高い透過力を持ち、装甲目標内部の対人殺傷に特化したニュートリノ・ブラスターも広義のパーティクルドライバーに含まれる。
かつては多重シンクロトロンやストレージソレノイド加速器(蓄積リング式の進化形)、レーザープラズマ収束加速器など電磁相互作用を用いた加速方式のみだったが、重力工学(および、その応用である超幾何工学)の再発展に伴い粒子の縮退が容易になると、より省スペースかつ本体ジェネレータの電力リソースを食わない圧縮粒子解放式が主流となった。
現在は一次加速を縮退圧で、二次加速と射線コントロールを電磁場で行うハイブリッドアクセラレーション方式が艦船を中心として配備されつつある。
威力は投射粒子の種類や加速方式・出力・規格にもよるが、非IDeA目標への打撃力や純粋なエネルギー量で見るならば、凡そ同サイズのフォトンドライバーを上回る。
例として、CJPOのウォーロック級戦艦の副砲として装備されているアンチプロトンドライバーは最大出力なら粒子生成だけで90PJ(1kgの質量に相当、広島型原爆の1635倍のエネルギー)以上、さらにそれを亜光速まで加速する砲身内線形加速器の投入電力を加算すると、エネルギー消費量は莫大なものとなる。
もっとも、弾薬となる粒子はカートリッジ式またはコンデンサー蓄積式であり、実戦でパーティクルドライバーの最大出力砲撃を敢行する機会も殆ど無いと言ってよい。そのため弾切れやエネルギー切れで撃てなくなったというケースは稀である。
[memo]
・弾体粒子を圧縮するインプロージョンチェンバー、およびそれらを保持する縮退カートリッジ/コンデンサーは超幾何工学による余剰次元を利用した空間重畳コンテナとして構成されており、通常空間のみでは物理的に不可能なレベルの質量集中を長期間維持できる。
通常空間を二次元の盤面とした場合に、同じマスに置ける駒がひとつずつであっても『駒の上に駒を重ねる』=一つ上の次元を利用することで、下位次元のルールをすり抜けられる……という喩えが一般向けの解説などで用いられる。