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平成30年北海道胆振東部地震

 寝込みを襲われた。
 本棚から雪崩れ落ちる文庫本に起こされて地震を知った。
 いつもより揺れておる。
 人間、死ぬ時は死ぬし、死なない時は死なない。
 もし、今死ぬとしたら何がしたい?今は眠い。じゃあ、と、寝た。
 翌日は朝も早よから、裏のアパートのババァ連中が昨夜の話で姦しい。
 札幌は震源地からはチョイと外れていたので、然程の事は無かったようだ。
 しかし、北海道丸ごと一個全部停電である。
 交通機関が全部ストップ。信号も点いていない。
 現代社会は電力が使えなければ何も出来ないに等しいので、会社からは自宅待機のメールが飛んで来た。
 ほとんどの業種が「自宅待機」の臨時休業となったらしい。
 とは言え非常時だ、のんびり構えては居られぬとばかりに、食料+水+簡易電力(乾電池)確保のために、核家族で構成されたにわかコマンドが市内各所で散開しているらしい。
 面白そうだから近所の大型スーパーを冷やかしに行ってみると、案の定キャプテンは母親で、お父さんはその補佐役として兵隊(子供)におずおずと指示を飛ばしている。
 まあ、こんなもんだよな。満足しての帰り道、自動車の整備工場ではラーメンパーティー(インスタントだけど)が展開していた。
 どうせ今日は仕事にならないからと、仕事仲間同士、家族ぐるみで集まって一緒のご飯を楽しんでいるようだった。
 もちっと面白いこと無いかな?ウロウロしていると、閉店以外の理由で閉まっているセブンイレブンを目撃。誠に稀有である。
 もっと進んで行くと、こまめに閉店とリニューアルを繰り返しているジンギスカン屋が開いていた。屋内は暑いからだろう、自家発電機でライトを点けて屋外で焼肉とビールを提供しており、開店以来初!の盛況ぶりが面白い。
 ところで私は特に買い出しをしなくても問題ない。
 米が有る。水も使えるし、ガスも使える。土鍋で飯を炊けば良い。そして味噌・塩・醤油が有り、海苔や塩昆布、梅や干しわかめと削り節が有るから2~3日程度どうにでもなる。普段からTVよりもラジオを愛好しているから、情報源も問題ない。
 短期間にはなると思うが、人が生きるのに必要なものはそれほど多くは無い。
 でも、この状況で店を開けて殺到するお客を宥めながら、電卓を使って必死に仕事をしている人達を見ると、今の私に贈れる最大のプレゼントを渡さない理由はありませんでしたよ。
 ありがとう、助かったよ!
 笑顔や言葉なんて、カタチも一瞬だから形も無いと思っている?そんな事は無くて、価値が着けられないからこそ、¥0なんだよね。
 停電ということは、この札幌市が今夜一夜だけ真っ暗になるんだ!?
 狙っていた通り、満点の星空を見られました。
 満足♡。

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