悪魔に魂を売ったと言われる、アメリカの黒人ミュージシャン、ロバート・ジョンソンは、母親の過ちによって生まれた、不義の子どもでした。生まれてから、父と別れた母と暮らし、やがて男ができた母から血のつながらぬ父親に預けられ、さらに母親とその再婚相手と暮らしたロバート・ジョンソンの生い立ちを、少し拝借しました。
噓か真か、鑑真和上の危難を救った法師の血が己の身体の中に受け継がれている、ということが、よたを酷い境遇に置き、同時にそれがよたの生きるよすがとなる……
ちなみに、よた、という名前は、余太、つまり、余分な子、という意味合いで付けたつもりではおりますが、落語の与太郎の、よた、ではないかという憶測は、決して否定いたしません。