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ピタゴラスイッチ『タマゴとシオ』から童話を創る。

 NHKのピタゴラスイッチで、池に落ちたタマゴをシオの塊が助ける話がありました。
 池に飛び込んだシオが水に溶けると、沈んだタマゴが浮いてきて助かります。
 それをアニメーションで見せてから、ビーカーの水に沈んだ卵が、塩を加えるとことによって浮き上がる実験を行います。
 これを見ていて、
「水に溶けたシオは、どうなったんだ……」
 と疑問に思いました。
 塊として存在していたシオは、タマゴを助けたことで、命を失ったのではないか……
 水に溶けて存在iしていたとしても、それまでとはまったく違う形でシオは人生を送ることになるのではないか……
 いやいや、元は海水だった塩なら、それで故郷に帰ることができたことになるのではないか……
 そんな想いを広げながら、お話の続きを考えてみました。

 助けられたタマゴは、池の水を残らず掬い出して焚き火で水をすっかり蒸発させます。
 そうすると、塩が生き返ります。
 そんな絵本を読み聞かせたお母さんが、子どもに、塩を添えたゆで卵を出して、
「さあ、お食べ……」
 横で、出番のないマヨネーズはしょんぼりしています。

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