ceroは通受けするバンドだが、あまり自分は好きではなかった。しかし「夜になると鮭は」は、繰り返し聴ける良い曲だなと初めて思った。タイトルからしてカーヴァーの引用らしいが、ちゃんと調べたら村上春樹の訳した文をそのまま歌詞にしたようだった。
夜になると鮭は
川を出て街にやってくる
フォスター冷凍とかA&Wとかスマイリー・レストランといった場所には
近寄らないように注意はするが
でもライト・アヴェニューの集合住宅のあたりまではやってくるので
ときどき夜明け前なんかには
彼らがドアノブを回したり
ケーブルTVの線にどすんとぶつかったりするのが聞こえる
いいですねえ。こういう文字数の少ない詩のような、うんと短い掌編なら書けるかもしれないと思った。「大人と子供のための意味のわからない掌編集」とでも名づけたい。