選択式の問題で、わざわざ誤った短文を読ませるのは「ゴミやノイズを頭に入れろ」と命令するのと同じではないだろうか?
もし短文が百あって「いずれか一つは正しくて、九十九は嘘ですよ」という設問があった場合、明らかに時間と労力の無駄である。
三択だからよいというものではなくて、そもそも形式がおかしい。
こういうことを考えるから、教科としての「日本史」や「世界史」が嫌いだったのかもしれない。中身でなく、形式に腹を立てていたというか。
一方で、大学受験の記述問題の参考書の問題と解答は、受験を離れても興味深く読める。
1.問題を出す側はよくよく考えている。
2.模範解答と、そこへ至る筋道を説明する側もよくよく考えており、論理的である。
3.しかも解答はせいぜい数百字で、短くてすっきりしている。
ちょっと高度なクイズ番組のダイジェストでも読むつもりで読めば、専門書よりもずっと易しいし、構成がシンプルでよい。
という訳で、いったん興味を持ち始めると、どこに良書が潜んでいるか分からないほど歴史の本は多い。