読書会をしていると、本を余り読まないという人に、どんな本を薦めたらよいのかわからなくなってくる。
本はいろいろあるし「何かしら面白そうな本があれば読みたい」と考えている人は結構いるのだが、基本的な問題として、本も情報量も多すぎて、マッチングがうまく行っていないなと感じることが多い。
また、本(主に小説)には難易度の段階というものがあって、素朴でわかりやすいレベルから、複雑で理解しがたいレベルまで様々ある。
しかしこれは読みやすい、これは読みづらい、といった分かりやすい指標や表示は一切ないし、ガイド本のたぐいもあまり機能していないように見える。
さらに、「好みは人それぞれ、様々なので……」という遠慮や忖度の壁があって、個人間でもなかなか情報が届かない。「これを読め」と強制もできない。
自由に本を選ぶことができて、しかも高すぎて買えないということもほとんどない世の中にあって、個々人が持っているはずの「本を選ぶ」という自由や欲望は、どこか空振りしている。そして出版社や書店からは「本が売れない」という声ばかりが聞こえてくる。
この問題は難しいので、昨年の夏ごろからずっと考え続けている。
とりあえず言えることは、
・短編中心に読みましょう
・アンソロジーを読みましょう
・エッセーを読みましょう
・ご年配の方も若者も、時代小説が入りやすいのでは
・読書会に入って、半強制的に課題図書を読むのも結構いい
こんな感じである。
本当は「本」といえばノンフィクション全般や漫画全般、短歌や俳句やその他いろいろもあるのだが、なぜか読書をしない人に限って「読書とは小説を読むことである」という思い込みが強い。純文学は高級で、エンターテイメントは低級という価値観も根強くある。
また、速く、多く読む方がよいと考えているらしいのだが、それも誤解だと思う。
(次回へ続く)