「短編（掌編）」を含む小説

　都内にあるレストラン"庭園"は広く明るい造りである。 　木製のテーブルや椅子が温かく、ガラス張りの壁からは外光が差し込んでいる。白い壁も清潔感があって、家族連れやカップルが好ん…

　綺麗だから観に行こうと連れられてやってきたのは金魚を使ったアート作品の展示会だった。 　暗い部屋にネオンが灯った数々の水槽。その中を、金魚が泳いでいる。活発な個体もいるが静か…

溶けるアイスの向こうに見える世界。

【BL】飼うとは、愛し慈しむこと――白い部屋で、僕は君を飼っている。

高校三年生の夏、突然現れた交通事故で死んだはずの妹。 俺にしか見えない妹は生きていれば16歳くらいの姿で 昔と変わらず俺に微笑みかける

30分くらいでなんか書けちゃう時があるのですが、そういう怪談ばかりを集めた手ぬk 選りすぐりの怪談集です。 基本、ノーチェックで掲載しております。全5話、箸休め的に読んでいただけ…

　突然消息を絶った友人。 　僕の手元には、彼からの手紙が残されていた。 　そこに書かれていたのは、想像を絶する事実だった。

深夜、ドライバーの鼻をつまんで引っ張る「ゾウさん」。次に現れるのは「ワニさん」。その次は？

　ホテルサウンズを訪れるのは五年ぶりだった。 　四つ星として名高く、行き届いたサービスが気に入り贔屓にしていたのだが転勤などにより疎遠。諸々と片付きようやくまとまった休みが取れ…

時間が押しているので、紹介はまた今度。しばし、さようなら。

『平和展２０２５』 ――実感も関心もない、平凡な都会っ子の備忘録。 ＊＊＊ 終戦八十年に寄せて。

【BL／ほのかにR15】悠介に誘われ、浴衣姿で出かけた夏祭りの夜。てっきり彼女の代役だと思っていた亮太は、予想外の悠介の答えに戸惑う。賑わう縁日、三日月、狐面――灯り揺らめく宵に…

信号待ち、赤から青になるほんの数十秒。 何もないはずの空を見上げたら、隣の人も、 そして周りの人も同じ空を見ていた ──夕立のあと、そこには大きな虹が。 日常に訪れた、ご褒美み…

上手くいかない事も、酒を酌み交わせば大概上手く……いかない。

　タワマンを買った。 　駅から10分。2LDKの中層階で8000万。築三十年だがリノベーションされており綺麗ではある。しかし、この部屋が生涯の根城かと思うと、なにか途端にやるせ…

　寂れたうどん屋でバイトしていた僕。 　バイト仲間のXは客寄せにと、ある提案をする。 　だが……それは禁忌だった。

　失意のまま部屋に入ると、もうベッドに横たわるしかなかった。 　何もする気になれない。生きる気力もない。ルイがタクミと付き合っているなどというスキャンダルを聞いてどうして平常でい…

70代になった小説家は才能の枯渇に懊悩する。

　画家になりてぇ。 　そう思い立ちカンバスと油絵具を購入。木炭とか練り消しとかパンの耳とかいるらしいがそんなものを使うのは俺の絵ではない。ラフ？　いらん。男がチマチマと準備などす…