「希望の短編」を含む小説

樋渡都（ひわたしみやこ）は母の形見のバラ、ストロベリーアイスが枯れかけて天坂（あまさか）バラ園に持って行く途中で大雨に見舞われる。 雨に濡れながら都は辛い過去が頭の中を駆け巡り…

こちらの作品は、豆ははこ様の短歌賞1首部門参加作品『一人』の『『好きだよ』に既読が付いて一人居る声を聞いたの何日前か』からインスピレーションを受けて創作したものです。 https…

風の恵みで人々が豊かに暮らす「風の王国」。その風を操る能力を持つ少女、ソラは「風の歌姫」と呼ばれ、人々に感謝されていた。しかし、自身の感情が風に影響を与えてしまうことに戸惑い、そ…

社会の歯車として工場で勤務する 後藤が廃棄予定の錆びたネジを正規品として出品しようとする。 その先にあるものとは？

　男は死にたがっていた。 　膨大な時間を犠牲にして僅かな金を稼ぎ、自身の寿命を削りながら家族のために尽くす人生に疲れ切ってしまって、もはや生きる意味を失ってしまっているのだった。

とあるこの町では「羽」という言葉に特別の意味があった。 才能を持つ者、持たない者が明確に分かれていたのだ。 そんな町で暮らしていた少女・澪。 舞台の上に立って活動することを夢見…

もし、最愛の人が何か残酷なことをしていたら、あなたはどう思うだろうか。 そして、その人しか頼れなかったなら、どうすればいいのか。 ――ひとごろし、とかね。

金目的の男が襲ったのは“死に場所を探している者たち”のバスだった。一人では逝けなかった彼らは、救世主のように男を囲む。 これは加害と被害が逆転する、静かな絶望と優しさの物語。

1945年8月。身重の律子は、東京の海辺で一人、夫の帰りを待っていた。 夫・忠司は南方戦線への途上で行方不明。兄がもたらした情報は、彼の乗った船が撃沈されたという非情なものだっ…

もう人生に疲れてしまって、どうにもできず、どうにかする気にもなれなかったため、そろそろ終わらせようと思った。 思慮すべきは如何にして決行するかである。ヘタレ故、痛いのも苦しいの…

8年を共に過ごした少年を失ったロボットが喪失の先に選んだのは、もう一度『守る』という希望だった。

星が降る夜。 この世界では、諦めることばかりだった。

鬱病と診断された1人の女性。 そうなったのは過去によるものだった…。 自分の意思を取り戻すために 光を探し続ける。

銀貨と引き換えに光を売る救世主の少女。 闇との取引、住人たちの願い、すべてが絡み合う“最後の夜”。 「正義」が欲しいなら、銀貨を差し出せ。 希望と絶望、支配と裏切りが渦巻く―…

2250年、人類が姿を消した地球。廃墟の中、唯一の探査ドロイド・アキラは生存者を探し続けるが、エネルギーは残りわずか。郊外の丘で、誰もいない交差点を照らす不思議な信号機と出会う。…

　代筆係ランセツが夜半、第一皇子の命により書かされた手紙は、ただの季節の挨拶などではなかった。 　そこに込められていたのは――ある貴族の暗殺命令。そして、ランセツはそれに気づいて…

世界の時計が狂い始めた。記憶から人が消える。 修理屋の中年男・坂本は、ある日、銀髪の少女ミナと出会う。 「あなたの“時間”、壊れてます」 彼女の言葉をきっかけに、坂本は自身の記憶…

誰にも望まれずに生きることが、 こんなにも苦しいなんて。 ひとりで泣くことにも慣れて、 愛されることなんて諦めていたのに。 それでも―― どうしてあの人の声だけは、 いつまで…