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政略結婚から始まる波乱万丈の物語は、いつの時代も女性読者の注目を集める不動のテーマです。登場人物の複雑な人間関係、嫁ぎ先での厳しいしきたりやならわし、苛烈な継承権争い・領地争いなど……。時には泥沼展開に苛まれながら、少しずつ前に進んだり、スパッと婚約破棄を宣言したり、ヒロイン達の言動も様々です。
そんな数ある政略結婚ストーリーの金字塔で、2025年1月からアニメ2期の放映も決まっている、『わたしの幸せな結婚』。著者の顎木あくみ先生×カクヨムネクストによる特別企画として、『わたしの幸せな結婚』1~3巻を無料公開中です。これを記念して、今回は政略結婚がテーマの作品レビューをピックアップしました。
魔王様に捧げる涙を流すため、生贄姫として魔族の国へ嫁いできたベアトリス姫。生贄といっても過酷なことはなく、初代魔王様の加護に守られながら、一定量の涙を流せば契約終了→離婚可能、というゆるゆるなものなのですが――
実家の境遇が不遇で過酷だったベアトリスは、何があっても家に帰りたくない。それで、絶対に泣かない、と心に決め、それを魔王と魔族たちに宣言します。
魔王様も生贄姫の涙を必要とする切実な理由があるために、魔族たちはあの手この手でベアトリスを泣かせようとします。それらに対する決め台詞が。
「可愛くてごめんあそばせ?」
最初は、魔族たちの罵倒や嫌がらせに対する煽り返しに過ぎなかったこの台詞、物語が進んで魔王様との関係が変化してゆくにつれて、いろんな表情を見せるようになります。結構お似合いですよねおふたり!
とはいえ魔族たちは、ベアトリスが魔王様に優遇されるのも面白くないので、嫌がらせも段々と陰湿みを増してゆき……ついには。
破格の加護に守られ、最強の魔王様を味方につけても、防ぎきれないものだってあるのです。
おふたりの関係がどうなっていくのか、魔族たちとの関係は改善されるのか。先が楽しみな恋愛ファンタジーです。ぜひ、ご一読ください。
颱国の皇太子・皓月は、“抜山虎女”と称され、周辺諸国にその名を轟かせていた。とある事情により、お淑やかな妹・皦玲の代わりとして、”引きこもり”と噂される敵国・浩の皇太子、璧志に嫁ぐことに····。
皦玲として、皦玲ならば、皦玲だったら。皓月はどんどん"自分らしさ"を閉じ込めていく。本来の皓月は、気高く、物理的にも強く、何者にも負けない気骨のある女性。
引きこもり皇子が遣わした教育係の巫澂は、そんな皓月に対して想うところがあるようで。
白虎の国の元皇太女と青龍の国の皇太子。この出会いが、国に齎すものとは―――。
嫌がらせ上等! 何を言われてもその倍の嫌味で返せる!強強ヒロインと思いきや、けっこうメンタルがぼろぼろになるような過去もあり。また、恋愛に関してはかなりの鈍感さを匂わせていて、思わず応援したくなるのです。
こちらは重厚で濃厚な中華後宮ファンタジーであり、作者さまの中華小説に対する知識の宝庫でもあります。
中華風、とありますがもはや本格中華と言っても過言ではない作品。
本格中華ファンタジー、特に後宮系が好きな方にオススメ✨
今作の第二部もあるようなので、今からすでに楽しみなのです♪
じれじれ恋愛ものが好きな方も、一見の価値あり!
世界を滅ぼす力を持つ『災厄の精霊』を宿したアングレシア王国第三王女フィオナは幽閉生活を送っていた。しかし、本が読めるので特に不自由はしていなかった。しかし、そんな彼女はある日攫われてしまう。フィオナを攫ったのはラグナータ帝国第八皇子ルシアン。彼は六年前の約束を果たしにきたらしく……!?
フィオナが抱える運命、そしてルシアンの重い気持ちが重なる物語です!
世界を滅びしたくないフィオナ、フィオナ第一のルシアン、二人の気持ちは一体どこへ向かうのか、是非読んで確かめてみてください!
第4章を終え200話オーバーの作品。
連載開始からずっと追いかけていますが、この作品の大きな特徴は大きく二つ。
まず、ちりばめられた伏線の見事な回収によるどんでん返し。
何気なく読み飛ばしてしまいそうな描写が推理小説のようにあとあと大きな仕掛けとなって登場して驚かされます。
もうひとつは、登場人物たちがそこにいるかのように感じられるほど生き生きと描かれており、彼ら彼女らが織りなすドラマが強く心に響きます。
そのスケールは回を追うごとに増していて、作者様の筆力、表現力が連載しながら格段に成長していることの現れだと感じます。
辛抱強く読み続けることをお勧めします。いえ、綿密に設定された世界観を軽やかに読み進められる文章と丁々発止のやり取りを目にすればページをめくる手は止まらなくなることでしょう。
個人の主観を申しますと深みが出てくるのは1章のエピローグ当たりから、かもしれません。3章以降はどうしようもなく心を揺さぶられ続けました。もう感情のジェットコースターです。ぐるんぐるんと目が回るほどですが、ピタッと着地します。感動以外にありません。
濃い作品を求めていらっしゃる方こそ、ぜひ快傑令嬢の世界へ飛び込んでみてください!!