夏真っ盛り! カクヨム夏季恒例のイベントとなりました『カクヨム甲子園』は、 ただいま全部門での応募総数が約800作品(8/7時点)と大きな盛り上がりをみせています。
そんな前半戦を総括して、今年もやります「名レビュー発掘会」カクヨム甲子園篇!

今回は「ロングストーリー部門」の応募作品に寄せられたレビューの中から、運営一押しのレビューをご紹介。
高校生のフレッシュな感性、ストレートな表現、あるいは高校生らしからぬ熟達した文章力……日頃触れている作品とは一味違う、今だからこそ読みたい作品たち。
もし創作意欲が刺激されたなら、カクヨム甲子園にも挑戦してみてくださいね。

ピックアップ

青春の感じ方。二人の間を挟んでいるのはべニア板?

  • ★★★ Excellent!!!

文芸部所属となるヒロインと新聞部所属となる主人公。第一話で、桜舞う情景がきれいに描かれ、これからの高校生活の予感を示してくれていました。
それもそのはず、主人公はヒロインと幼馴染。そしてヒロインに恋しています。タイトルにもあるように、いつかきっと彼は彼女に――。

でも、その想いは手の届くところにあって届かない。まるでべニア板のような薄い仕切りが二人の間にあるように。そして、それは部室にもあるときたもんだ。

ああ、いいなぁ。

ヒロインは切なくて感動するラブストーリーにはまっている。これから彼らの物語が果たしてどうなっていくのかはまだわかりません。

でも、彼は想いを伝えてくれるでしょう。
そんな期待と共に、青春を思い出させてくれる物語だと思います。

宝石のように美しい

  • ★★★ Excellent!!!

 プロローグとエピローグとがすでにアップされていますが、それがネタバレとなって興が殺がれるどころか、これからどう物語が展開するのか、そして、この余韻の残るエピローグに、どう繋がるのか、興味が尽きません。

 プロローグを読んだ時、実質1話となる3話を読んだ時、私はモノクロの背景を想像しました。悲しく、寂しい印象があり、けれど人物だけが鮮やかな宝石のように美しく感じました。

 儚く、固いが故に脆い印象があり、だからこそ美しい人物たちだ、と。

 繰り返しいいたい事は、結末がわかっていながらも、経過がどうしても気になる作品です。

そのために風をきる

  • ★★ Very Good!!

その『走る』行為ひとつを、こんなにも丁寧に、なによりスピード感を残しつつ描けるものかと大変勉強になりました。
県道を走る二人の切磋琢磨する姿は脳裏に焼き付き離れません。
目的を持ちそれぞれの向かうゴールへその足で進むこと、青春だからこそ成せることです!