今回の特集を進めている間に、とんでもないニュースが飛び込んできた。「史上初の男の子プリキュアが誕生した」と。ラノベでは昔から男の娘魔法少女というのは定番ネタだったが、全世界のカワイイの代名詞といっても過言ではないプリキュアさんがやるとは! まさに現代の多様性を象徴する出来事といえるでしょう。私からいいたいのは一言。この「男の娘」企画、プリキュア放送前に決めてて後出しじゃないんですホントです。疑うんなら編集に確認してください!

ピックアップ

女装男子は仮の姿、人に仇なす精霊、妖怪を退治する魔法少女(♂)

  • ★★★ Excellent!!!

銀髪に碧眼に白磁の肌を持つ人間離れした容姿を持つ小学六年生の月代灯夜は、ある日、風の精霊シルフと仮契約して魔法少女(仮)となった。ただし、問題だったのは灯夜が男の子だったこと。

風を操る新米魔法少女になった灯夜が、平穏な日常の裏で妖怪や精霊が巻き起こす騒動の解決に人知れず奔走するファンタジックなストーリーに夢やロマンが広がる。

代々、妖怪や精霊を退治してきた名家出身の先輩魔法少女・四方院樹希と遭遇し、研究所から逃げ出した四大精霊の捕獲にあたるが、プロ意識が高くプライドも高い彼女と衝突するごとに、「正義の魔法少女」とはなんたるかを考えさせられる。

そして事件に巻き込まれた大切な友達を救うために一生、魔法少女として生きていく契約を受け入れる灯夜の決意に胸を打たれる。やはり魔法少女は、大人の理屈抜きでピュアな存在でなくてはいけない。

灯夜の健闘で騒動は解決したものの、ここまでは単なるプロローグ。

魔法少女になった影響で強制的に名門女学院の中等部に入れられてしまい。お嬢様たちに囲まれた学園生活を送ることになってしまった女装男子の今後が注目だ。

(「男の娘っていいよね」/文=愛咲優詩)

ガチャでゲットしたゲームキャラクターは不遇チート美少女でした

  • ★★★ Excellent!!!

「生きている人形を作る」という夢を持つ主人公・ユーリが、フルダイブ型MMORPG『ワールド・オブ・オリジン』の世界で、見た目は美少女なアバターを駆使して繰り広げるバトルが萌えに燃える。

ユーリが選んだ「金竜」という種族は、超高ステータスとレアスキルを持つ代償にレベルアップに必要な経験値が100倍、おまけにモンスターに狙われやすくなるというトンデモキャラ。

さらに人形師という不遇なジョブでスタートした彼が、如何にしてデメリットを乗り越えて強くなっていくのかというところがこの作品の見所だ。

ゲーム内のユーリは誰が見ても金髪の美少女にしか見えず。人形師の固有装備であるぬいぐるみを持ったり、クエストで着せられたワンピースが呪われて脱げなかったり、ストーリーが進むにしたがってより可愛さに拍車をかけていくのが笑いを誘うのだ。

妹分である従姉妹たちとパーティを組んでレベル上げに勤しむのだが、女の子を守るために我が身を挺して敵の攻撃を受けたり、仲間を傷つけたボスモンスターに復讐を誓ったりと、可愛い見た目に反して男らしい一面もあり、そんなギャップが凛々しくて萌える。

いまのところようやくチュートリアルをクリアしたばかり、これからどんなゲームライフを見せてくれるのか楽しみだ。

(「男の娘っていいよね」/文=愛咲優詩)

この女装兄が可愛すぎて義妹の倒錯っぷりがすごい!

  • ★★★ Excellent!!!

恋人であり義理の兄妹である主人公・朋と義妹の天音のイチャイチャ女装倒錯ラブコメ。

過去にストーカーに遭い、男性不信になった天音を癒やすための女装だったが、いつの間にか彼氏を女装させる変な趣味にハマってしまった天音のわがままが可愛らしく、義妹から男扱いされない朋の懊悩が可笑しい。

親公認で二人だけの温泉旅行に出かけても、周囲からは仲の良い美人姉妹としか見られず、それでも年頃の男女がお泊りとくれば、えっちなイベントがあるかと思いきや、むしろ義妹からセクハラされる始末で、この義妹の変態っぷりがやばい。

けれど、自分のために女装までしてくれる優しい兄の想いに応えるため、少しずつ心の傷と向き合おうと頑張る天音が健気で愛おしい。

朋自身は女っぽい見た目が嫌いだが、そんな見た目だからこそ、男性不信な天音を傷つけずに付き合える恩恵もあり、そうして自分の外見を肯定的に受け入れるようになっていく朋の姿もまたひとつの成長だ。

甘々な日常の中に、心に染みる愛情を感じる。女装から解放され、本当の意味で二人が結ばれる日が来ることを願わずにはられない。

(「男の娘っていいよね」/文=愛咲優詩)