旬の食材を使うのが和食の基本ですが、ライトノベルの基本も旬のネタを使うことです。時事ネタであったり、話題になっているニュースや社会問題であったり、その時その時で読者の興味を掻き立てられる新鮮なネタがないといけません。カクヨムに投稿される新作は常に現実とリンクして旬のネタをとり揃えています。今回紹介した作品も今だからこそ読んで面白い作品を選んでみました。皆さま、どうぞ産地直送の最高の一品をお召し上がり下さい。

ピックアップ

生きるということは、世界と戦うことだ

  • ★★★ Excellent!!!

主人公の竜崎は、大人気MMORPGでドラゴンの頂点である『神竜王ロイス』として君臨する最強プレイヤーの一人だ。

だが、彼の心は満たされない。竜崎が生まれた時代には、人間の労働はすべて機械が代行しており、社会の家畜となった人生に意義を見出せなくなっていたからだ。

ゲーム中に死亡した彼は、社会の牢獄から解き放たれ、異世界に転生することで人生の生き甲斐を手に入れる。

信頼する仲間、守るべき国民、美しき王国、大切な恋人、そして大いなる野望。

ゲームのデータを引き継いで最強レベルに加えて伝説級アイテムを持った状態で転生するが、それで楽をしたり、弱者相手に無双したりして満足するのではなく、自分と同格かあるいは格上である異世界の神々に挑んでいく、そこに熱い男の浪漫を感じる。

設定だけみれば、いかにも中二臭い! ことある毎に夢だ、理想だ、誇りだと青臭い!

だが、男は浪漫を語れなくなったらお終いだ。何故、男は浪漫を追い求めるのか。

その答えは、この物語から探してみて欲しい。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)

誰かこの魔王サーのポンコツ姫を愛してやってくれ

  • ★★★ Excellent!!!

男性だらけの集まりに一人だけ女子が入り込んでちやほやされることを、俗に「サークルの姫」という。

この作品にも「サークルの姫」に憧れるヒロインがいるが、これが稀に見るポンコツなのだ。

魔族が棲む大陸を支配する大魔王と五人の魔王が集う『魔王円卓会議(魔王サー)』の紅一点、それが魔王ヒメ・グランハザードだ。

魔王としての統治能力は素晴らしく、抜きん出た戦闘力を備え、青薔薇のような気品あふれる美少女なのだが、ちやほやされるのが大好きという困った性癖がすべてを台無しにしている。

同僚であるイケメン魔王たちを自分の虜にしようとするのだけれど、毎度毎度やり方が稚拙なために周囲にはすっかり企みを見抜かれていて、「痛い子」と呆れられてしまう。

さらには腹黒な女装男子の新米魔王フリンに人気を奪われて、ライバル視するあまりに余計に空回りする姿がなんとも痛々しくて、いたたまれない……。

もう誰でもいいから、このモテない女の子を好きになってあげて!

えっ、私? 私は大魔王様が一番カワイイと思います!

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)

魔王様のせいで部下が困っているのでなんとかしてください

  • ★★★ Excellent!!!

魔王直属のクレーム対応課で働く青年キースの元には、魔王軍で働く人々のさまざまな仕事の悩みが集まる。

曰く、「魔王様が演習場で暴れて兵士が困っている」
曰く、「魔王様が図書室の蔵書でドミノをして困る」
曰く、「魔王様が厨房でつまみ食いして困る」

それらクレームの対応にキースが奔走するのだが、クレームの八割が魔王様がらみ!

その魔王タラネは、実はキースの幼馴染で、頭脳は子供のまま身体だけ大人に成長したような絶世の美女で、周囲を困らせるのも大好きなキースにかまって欲しい一心だから、その自由奔放さが憎めない。

魔王城で巻き起こる問題や騒動に対して、力づくで解決をはかるタラネの脳筋ぶりと、いつも冷静なキースの仕事ぶりとのギャップに笑いがとまらない。

仕事のデキる男キースに他のヒロインも次第に惹かれて恋愛模様もヒートアップして、さらに増えるクレーム対応に忙しくしながらも賑やかで華やかな職場風景が楽しい作品です。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)

少年と少女は騎士の誇りを胸に抱いて理想の剣を振るう

  • ★★★ Excellent!!!

騎士だった父親に憧れ、騎士団に入るために故郷から王都へと出てきた少年ラルス。
しかし、国一番といわれていたゾディアック黒騎士団は堕落してしまっていた。
これはブラックな騎士社会で新米騎士ラルスと仲間たちが真の騎士道を歩む物語だ。

かつては誇り高い猛者たちが集っていたゾディアック黒騎士団も、いまや任務はおざなりで他人任せ、業者と癒着し利益を貪り、幹部の「常闇の騎士」は実力ではなく賄賂や権力で選ばれていた。

その事実を知り呆然とするラルスだが、騎士団のあるべき姿を取り戻そうと努力する少女騎士リンナと出会い、彼女の率いるたった五人のオフューカス分遣隊に加わり任務に励む光景が眩しい。

他の分隊の尻拭いや雑用に使われていると承知の上で、信じた道をバカ正直に突き進む。

大きな組織の中で理想と現実の狭間で葛藤しながらも、己にも誰にも恥じない騎士道を追い求める少年少女の姿がたまらなくカッコイイのだ!

現代社会にも通じる世間のほろ苦さと、理想の甘酸っぱさが同時に味わえる稀有な作品だ。

(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=愛咲優詩)

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