選考基準は編集者の独断と偏見! 《俺のラノベ》コンテスト開催!
1,029 作品
この度はたくさんのご応募を頂き、ありがとうございました。
王道キャラクターミステリーから、事件をスパイスにした青春ものまで、想像以上に幅広い作品が集まり、読んでいてたくさんの驚きがある選考でした。
「学校が舞台」という条件によってキャラクターが作りやすかったのか、キャラミスとしてレベルの高いものが多く、その中からキャラの作り方と使い方が巧みな作品を大賞に選ばせて頂きました。
その他、印象に残った作品は特別賞として挙げさせて頂きます。
10代特有の不安定な心情・行動が事件を引き起こしてしまう…そんな魅力的なミステリーが今後カクヨムに増えると、個人的に嬉しい限りです。
改めて参加して下さった皆さまに、深くお礼申し上げます。
スニーカー文庫 編集W
白峰高校に通う一年生、堀田由衣。学園祭が盛り上がる中、由衣はクラスの宣伝をするためカボチャの着ぐるみを着て校内を廻っていた。しかし、宣伝中一人の生徒がカボチャの着ぐるみに刺されたらしく、そのせいで由衣は犯人候補として挙げられてしまう。疑いを持たれた由衣は親友の明里に薦められ、ある部活へ真犯人を見つけて欲しいと依頼をお願いした。そこで出会った一人の男子生徒にある条件を突きつけられたが、それは由衣にとって屈辱の申し出で……。
声から始まる学園ミステリー、ここに発声(生)!
事件の見せ方・トリックともに、「マジシャン探偵」というキャラクターが際立つように組み立てられている点がよかったです。
この形で複数話作れるならば、どんどんキャラも立ってきて面白いキャラミスになると思います。
主要登場キャラが全てペンギンという異色作ですが、筋書き・犯人特定方法・推理と料理の組み合わせ方はかなり王道で、短編としてのまとまりがよく、楽しく読みました。
「人喰い虎のいる学校」「虎から身を隠すマント」という設定の突拍子のなさと、その特殊さを違和感なく読ませる不思議な味わいの文章が印象的でした。
論理展開には飛躍が見られますが、「探偵役としての虎」という新しいキャラクターを予期させる終わり方で、続きが気になりました。
この度はたくさんのご応募を頂き、誠にありがとうございました!
「『天才』の話」というテーマ故に、ホラーやエッセイからSF、異世界ファンタジーまで、多種多様なジャンルの作品を読むことができ、非常に楽しく選考させていただきました。また、数自体も非常に多く、200以上の作品から面白い作品を見つけ出す行為は、大変ではありましたが編集者冥利に尽きると感じました。
「天才」は色々あると思います。
まず最初に思い浮かべるのは「IQ」を土台とする「頭の良さ」だとは思いますが、例えば剣術や魔法といったファンタジーにおいて一般的なものから、裁縫・執筆能力など、現代の日常生活にも関わるものまで、本当に様々な「天才」が存在します。
それは単なる「チート」「俺TUEEEE」とは違い、「天才」になった明確なバックグラウンドがあり、「天才」故の悩みがあり、そして「天才」だからこそ成し得ることがあり、それらがストーリーラインを形作っている作品が、「『天才』の話」だと思っています。
上記を踏まえ、これだけ沢山応募していただいて、さらに新人という立場でこのようなことを申し上げるのは大変心苦しいのですが、大賞は<該当なし>とさせてください。
とはいえ、いただいた中で私に「刺さった」ものについて、特別賞という形で作品作りに携わらせていただけたら光栄に存じます。
改めて参加して下さった皆さまに、深くお礼申し上げます。
スニーカー文庫 編集O
テーマに沿った「『天才』の話」かつ、天才を主人公に据えながら、
群像劇として周囲の人間を描くことで天才の異質さをより浮き彫りにする工夫が見えました。ストーリーのまとまりも良く、ハードボイルドな設定ながら読みやすさがありました。
バックグラウンドや心の動き等を精緻に描くことで主人公以外のキャラクター性を強め、ただ視点を変更するのではなく、より各々の行動に意味をもたせる(クライマックスへと絡ませる)物語構造に出来れば、より良い作品になると感じました。
未来という時代設定の中に、過去の価値観を持ったキャラクターを登場させることで、世界観説明を容易にし、時代のギャップによる笑いを生じさせている部分が非常に優れていました。また、「SF」「サイバーパンク」というともすれば難解なジャンルを、非常に読みやすく書かれていたと思います。
下ネタを出すのであれば、テンポだけは削がないようにした上で「下ネタによって女の子が恥ずかしがる」といった、「読者にとって気持ち良い部分」を増やせば、更に良い作品になると感じました。
<笑える話>部門は特に応募数が多くて、うれしいやら大変やらでした。ご応募いただいた皆さま、誠にありがとうございました。ビジュアルや音の力を借りずに文字のみで人を笑わせるというのは非常に難易度が高いので、こんなにもたくさんのかたが難題に挑まれたというのは、すごいことだなと感じております。
総評としましては、筋肉と魔法少女をいっぱい読んだ気がします。予想されたことではありますが、下ネタ系も多かったです。逆に、とてもマジメな青春ものや、難しい内容の作品などもけっこうあり、バリエーションに富んでおりました。
そんなたくさんご応募いただいた中で大変心苦しいのですが、お腹をかかえて笑うまでハマった作品は残念ながらありませんでしたので(自分の笑いのツボの問題なので本当に申し訳ございません……)、大賞は<該当なし>とさせていただきたく存じます。とはいえ、おもしろいなと思ったものがいくつかありまして、その中から3つの作品に特別賞を差し上げたいと思います。スニーカー文庫の作品からなにか見繕って1冊ずつ差し上げますので、受け取ってやってください。
大賞が出せなかったのがとても心残りですので、いつの日か個人コンテストを再び開催させていただきたいと思います。その際はお付き合いのほど、何とぞよろしくお願い致します。
「笑みがこぼれる話」でした。すさんだ心が洗われた気がします。
好みのテイストでした。ちなみに私は大阪出身です。
これを「笑える話」として応募するのがすごいなと思いました。
*完結していないので厳密には選外なのですが、特別に。
たくさんのご応募、ありがとうございました。
*追伸:
第24回スニーカー大賞の応募締め切りは4月1日です。こっちは賞金も選考委員もちゃんとしてますので、ぜひふるってご応募ください。
スニーカー文庫 編集S
講評
とにかくキャラクターのよさが群を抜いていました。
各キャラの個性・探偵役の特技の両方が「声」という要素に基づいて作られており、最後まで物語の軸が明確だったのも良かったです。
エンタメとしての魅力は十分なので、もっと探偵役の特技を活かす形で捜査パートをブラッシュアップすれば、王道のキャラミスとして完成度の高いものになると思います。