町内会の班長として、集金に赴く。親切な人間もいれば、酔っ払って赤ら顔の男性につっけんどんな態度を取られる。難儀しながらも、町内会費を集めていく。犬の吠え声とドアを引っ掻く音。どこか不穏な雰囲気の家。何度も尋ねてお金を受け取った。集金を通じて透けてくる事柄がある。されど、見て見ぬ振りすべきことだ。同じ町、変わらぬ一戸建てで暮らすために必要なのは、深入りしないことなのだから。
自治会の班長を務める主人公が、各世帯を回って会費を集める苦労が、リアリティある文章で描かれます。同じような環境で生活している身としては丁寧な描写を読んで、わかるわかる、きっとそんな人いるよね、などと共感できる部分が多々ありました。ですが、最後の一軒のお宅に関しては別です。絶対に共感する事がないように願いながら、この春からの班長に臨みます。
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