魔法のような力を、ただの「生き残るための道具」として使い続けた主人公。戦うほどに孤独を深めていく彼の姿は切ないですが、知恵を絞って世界に抗うその足跡には、確かな強さが宿っています。一番心に残るのは、かつて彼を支えた無骨な道具が、最後には優しい笑顔を運ぶものへと姿を変えるシーンです。悲しい過去を消すのではなく、新しい意味を込めて日常を彩っていく。温かい読後感でした。冷たい雨のあと、静かな海を眺めているような、深い優しさに包まれます。
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