概要
荷を捨てれば生きられる。だが、彼らは遊びを捨てぬ連中だった。
春は、長い冬を越えた村にとって、命そのものだった。
一年を繋ぐために蓄えられた肉と酒は、祝祭のためではなく、生き延びるための総量である。
それを奪ったのは、通りすがりの傭兵団だった。
彼らにとって、それは略奪ではない。
自らに課した過酷な条件を満たした者だけが享受できる、ひとつの「遊び」だった。
村の女を先頭に、人々は山を追う。
泥にまみれ、爪を剥がし、重力に抗いながら、春を取り戻すために。
だが、追われる傭兵たちは荷を捨てない。
捨てれば生きられることを知りながら、あえて酒と肉を背負い、銃と規律を弄び、山そのものを遊び場として踏み越えていく。
追いつけそうで、決して追いつけない距離。
夜が明け、山頂に朝日が差すとき、彼らが祝杯をあげるのは、村へ届くはずだった春だった。
『追いつけ
一年を繋ぐために蓄えられた肉と酒は、祝祭のためではなく、生き延びるための総量である。
それを奪ったのは、通りすがりの傭兵団だった。
彼らにとって、それは略奪ではない。
自らに課した過酷な条件を満たした者だけが享受できる、ひとつの「遊び」だった。
村の女を先頭に、人々は山を追う。
泥にまみれ、爪を剥がし、重力に抗いながら、春を取り戻すために。
だが、追われる傭兵たちは荷を捨てない。
捨てれば生きられることを知りながら、あえて酒と肉を背負い、銃と規律を弄び、山そのものを遊び場として踏み越えていく。
追いつけそうで、決して追いつけない距離。
夜が明け、山頂に朝日が差すとき、彼らが祝杯をあげるのは、村へ届くはずだった春だった。
『追いつけ
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