概要
星霊と共に生きるニウエ一族が滅びたあと、十歳の星羅(せいら)は、生き残った者たちとともに修行の日々へと入る。星霊を操る導師(星詠)のもとで、彼女は剣を振るい、術を学び、「強さ」を身につけていく。
本作は、去年のカクヨムコン10応募作品『境界の奇跡、時の残響』から生まれた外伝短編となっています。本編を知らなくても読める構成だったりしますが、崩壊後の世界を生き延びた者たちの“その後”を、少女・星羅の視点で描き出してみました。
『境界の奇跡、時の残響』
https://kakuyomu.jp/works/16818093087250832141
さらに『境界の奇跡、時の残響』は、SF×スピリチュアル長編『視窓のリメイク
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!温もりは命の証拠
今回も最後まで読ませていただきました。
この物語が残す読後感は、自分の手のひらの温度をぼんやりと確かめてしまう……というのがしっくりくると思いました。
今作の魅力は「温度」というモチーフです。
星詠おばばが口にした「温もりは、命がそこにあったという証拠」という一言が、最後の祠の場面まで機能していると感じました。
これは伏線というより、最初から「世界の法則」として描かれていたのだと理解しました。
私が最も心を掴まれたのは、洞穴の場面です。
星羅が「押し返す力」こそが強さだと信じていた認識が、子犬の舌が掌を舐めるという、ただそれだけの接触で敗北する。
あの場面の「余白」が、この物語の中で最も…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この格式高い物語は私たちへの挑戦状?
生き物が石になってしまった世界で修行する女の子の話です。ただし、この小説は、ストーリーを楽しむなんて生易しいものではありません。まずは作者様の熱量を感じること。一文読んだだけで、その迫力が伝わってきます。言葉選びをどれだけ大事にしているのか、この文章一文書くのにどれだけ時間をかけているのか。そんな迫力がにじんでくる小説です。なので甘い考えでさらっと読んだだけでは、何が書いてあるかがわかりません。作者様は、恐ろしく頭のいい人だと思います。ただ、その明晰な頭脳に、私たちが置いてきぼりにされてしまうのです。
でも、ふと思ってしまいました。この天才的な頭脳を持つ作者様が、研究者向けではなく、中学生向…続きを読む - ★★★ Excellent!!!“温度”で描かれる、静かで優しい成長譚
本作は、星霊ネビュラという不思議な存在と“温度”を通して、命と世界のあり方を描くSFファンタジーです。
戦いや勝敗を軸にした物語ではなく、「守るとは何か」「生きているとはどういうことか」を、詩的で静かな文章で問いかけてきます。
主人公・星羅の成長は派手ではありませんが、一つひとつの出来事が確実に心に積み重なっていく構成がとても印象的です。
特に、“正しさ”よりも“揺らぎ”を大切にする視点は、読んでいて深く考えさせられました。
専門用語やSF設定はありつつも、物語の核はとても人間的で、温度・呼吸・触れる感覚といった身近な感覚で描かれるため、難解さよりも温もりが残ります。
静かな物語が好…続きを読む