概要
四季の精霊と少女が紡ぐ、やさしい再生の童話
夜、母に絵本を読んでもらう少女ベルちゃんが開いた物語は、季節を司る精霊たちと、心に傷を抱えた少女ブルーベルの優しいファンタジー。春の精霊ハルルに導かれ、ブルーベルは季節の乱れを正す旅へ出る。無邪気な春、光の夏、思慮深い秋、静かな冬──四季の精霊と共に“影”と向き合う中で、彼女の祈りは森に溶け、やがて白い花として再誕する。童話のような温かさと切なさが重なる再生の物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!静けさの中で心がほどける、白い花と精霊の大人童話。祈りが灯る夜も優しい
『白きブルーベルと四季の精霊の童話』は、全5話を短い呼吸で読み切らせる大人童話だ。入口は寝室の小さな灯りと、読み聞かせをねだる幼い娘の声である。そこでいったん現実の温度を掌に載せ、ページをめくった先に「傷ついた心だけが迷い込む」森の聖域を置く。物語は静かに始まり、静かに読者の脈に触れてくる。
第4章の「影」との場面が特に良い。春夏秋冬の精霊たちがそれぞれの力で影を退けようとしても、影は形を変えず、ただ寂しさとしてそこに立ち続ける。そこでブルーベルは、影を敵と決めつけず、自分の痛みと同じものだと受け止めて手を伸ばす。「大丈夫。あなたは、ひとりじゃないよ」と言い、触れた瞬間に光が弾け、彼女…続きを読む