このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(169文字)
もしも盲目でなければ、もしも火事に遭わなければ、おそらく出会うことのなかった二人。そこにジレンマを感じつつも、きっと当の二人は、如何なる代償を払ってでも、迷わずお互いとの出会いを求めるでしょう。雪が舞台でありながら、読後は温かい気持ちにさせてくれる作品です。
雪の降る日、山茶の花。その静かな風景を背景に、静かに会話をする二人。とても静かなその様子が、ありありと浮かびます。二人にどんな事情があるのか、説明されていないのに読んでいるうちに自然と察せられる文章はさすがとしか言いようがありません。そして、だいたい察したあたりで過去の話がありますが、ああ、そうだと思ったよと頷くのです。静かで、それでいて熱のこもった美しいお話でした。おすすめです。
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