タイトルからして不穏ですが、主人公は既に亡くなっておられます。
妻や子供たちに四十九日を済ましてもらって、死後の世界での一歩を踏み出すフェイズなのですね。
そこで気になるのが、現世に「遺した」物たち。
部屋や本に名残惜しさを感じるものの……そんな物より、のっぴきならない諸々が!
ええ、ご賢察のとおり。
今の時代、形ある物だけとは限らないのです。
口座やアカウント、サイトなどなど……ほら、大変。
彼がどんな目に遭ったか、見ておいたほうがいいかもしれませんよ?
大いに怖がって、他山の石とするのです。
さもないと――――
おちおち死んでいられないかもしれませんから。
本作のジャンルはSFなんですけど、自分は読んでいて怖くもありましたね。ホラー作品でもあるんじゃないかと思います。
この作品の主人公は気づいたら、映画館みたいなところにいるんです。
そこにはパンツスーツを着た長い髪の女性がいて、彼女は主人公が死んだことを伝え、今から死後の手続きをすると言います。
映画館みたいなところのスクリーンに、主人公が死んだあとの彼の家族が遺品整理をしているところが映し出されるんですが、パソコンの中の隠していたものとかを覗かれそうになってしまうんですよね。
パンツスーツを着た女性は、パスワードとかを知っていれば見られないように処理してくれるらしいけど、主人公は……。
いやー、読んでいてゾッとしてしまいましたね。パスワードとかちゃんと覚えておかないとなと改めて思いました。
あと死ぬ前にいろいろ消しておかないとな、とも……(笑)
最後も怖いシーンだったし、やっぱりこの作品は私的にはホラー作品ですね(笑)
パソコンの中とかに他人に見られたくないものがある人は、この作品を読んだ方がいいんじゃないかと思います。