概要
そして、『作者』が不要になった。
人気作家・早川の文章は、独特のリズムと比喩で知られていた。
しかしある日、AI企業が「早川風文体」を学習済みとして販売を開始する。
抗議をするが、「文体は誰のものでもない」と説き伏せられる。
その後、無数の「早川風小説」が市場に溢れ、彼の作品は埋没していく。
しかしある日、AI企業が「早川風文体」を学習済みとして販売を開始する。
抗議をするが、「文体は誰のものでもない」と説き伏せられる。
その後、無数の「早川風小説」が市場に溢れ、彼の作品は埋没していく。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!作者性が静かに殺される現代を映す、鋭い風刺ホラー短編の傑作
本作は、創作の根幹である「作者性」が静かに解体されていく恐怖を、過剰な説明を排しつつ描き切った秀逸な風刺ホラーである。
作家の早川氏の文体がAI化され、本人の抗議が「文体は誰のものでもない」という無慈悲な回答によって無力化される過程は、現代の技術倫理と資本論を鋭く突く。
怪異や流血に頼らず、創作者が社会的に“不要”へと追いやられていく過程そのものを恐怖として成立させている点が際立っている。市場に溢れる「早川風小説」は、模倣の完成度が高いほど作者の存在を希薄化させ、読者までも無自覚な加害者として組み込んでいく。
怖いのはAIだけではない。
便利さを理由に判断を放棄する人間、作者の不在を平…続きを読む - ★★★ Excellent!!!短いストーリー、どんなホラーより恐ろしい内容
文体の模倣は合法。
それはそうだ。私達は、いつも模倣し、改善し、テンプレートを使っている。
もし「あけましておめでとう」や「拝啓〜」まで著作権が発生したら何も書けない。
(対して、絵はそれこそ、⚪︎三つ重ねるとネズミさんに怒られるなんて話もありますが、どうでしょう)
合法だからこそ、その先に何が待つのか。
実はこれは、文体に限った話ではなくて、商品開発でも広告デザインでも、諸々、もう始まっている話。誰かがいいものを作れば、現代社会ではたちまち広まり、標準化されてしまう。
それは消費者にはありがたい側面もあるのだけれど。
その先の怖さ(あるいは哀しさ)を感じさせてくれました。面白かったです。