先月に親友が他界し、『死』という事とは、なんなのだろう?と考えておりました。私自身も祖父、祖母が亡くなっており、果たして孝行出来ただろうか?──もう少し、何かしてあげれば良かったな、と考える事があります。『死ぬ』ということ──と題名にありますが、亡くなるまでの丁寧な関わりが読み取れます。『在るべき形の関わり方(心ある、丁寧な関わり方)』そのように、私は感じました。今の時代、その『在るべき形』は失われつつあるように思います。
祖父と祖母の死を、対比的に繊細に描く筆致に、こころ打たれました。きっと命は最後に輝きを放つのでしょう。命の終わりを見つめる作者の、鋭く優しい視線が印象的なエッセイです。
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