『期待値（プライド）の向こう側　～40歳・無職・スロプロ。俺の人生（RUSH）は、いつ抽選されるのか～』

４０歳、独身、職歴なし。 ケンジの肩書きは「スロプロ」。 社会のレールから外れ、パチンコ屋という鉄火場で、期待値という名の数字だけを追いかける日々。

ある日の「特定日」。 狙い台のスマスロに座ったケンジを待っていたのは、底なしの投資地獄だった。 ３万、５万、８万……。 生活費が溶け、理性が悲鳴を上げる中、それでも彼はレバーを叩き続ける。

「まだだ……設定はあるはずだ」

極限の精神状態の中で訪れた、１／６５５３６の奇跡（フリーズ）。 逆回転するリールの向こうに、男は何を見るのか。 哀愁と脳汁が交差する、中年スロッターの人間ドラマ。