国家・民族の敵、定義対比による国家論一考察、あるいは文学的形而上学における抽象概念操作法
ほらほら
国家・民族の敵、定義対比による国家論一考察、あるいは文学的形而上学における抽象概念操作法
「国家の敵」という言葉は存在しない。
何故なら国家の敵を設定するには、まず「国家」の定義が必要だからだ。
国家は領土・国民・主権に依って立つ。しかしながら、国民は生物として常に流動し代謝される存在であり、そもそも定型ではないのだ。
故に、国家も定型にあらず。常に遷ろう存在であると言える。
つまり、国家の敵とは気体に形を与えるのと同義なのである。
では「民族の敵」はどうか。
これは定義できる。
何故なら、民族とは流動する個体に受け継がれる文化的形質であり、遺伝する体質だからだ。
個が次世代の個を生み出し続ける限り、「民族」は定義でき、自然と「民族の敵」も定義できるのである。
すると「民族の敵」は定義できるのに、「国家の敵」は定義できないという矛盾が生じる。
つまり、「民族の敵」は「国家の敵」たり得ない。これは民族の集積としての国家は存在し得ないという証左に他ならないのだ。
結論として、国家とは常に流動する個人によってのみ保証される集団なのである。
国家・民族の敵、定義対比による国家論一考察、あるいは文学的形而上学における抽象概念操作法 ほらほら @HORAHORA
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