わたしが小さいころ、悪さをすると、母親が決まって言ったセリフ。
『あんたは、山田川の橋の下から拾ってきた子だ!』
山田川は近所の川の名前。
けど、わたしは父にも、母にもよく似ている。
子ども心に、嘘つきめ!
と思っていた。
ある日、また悪さをして、母親にこっぴどく怒られた。
こんなウチ出てってやる!
飛び出した小さなわたし。
行くとこもなく、気づけば、山田川の橋の下に来ていた。
幼心がアイデンティティを求めたのだろうか?
そこで、わたしは捨てられていた仔ネコを発見😳!😺
連れて帰り、また、怒られた。
何の話😓?
そう、アイデンティティだ。
人は自分のルーツを気にする。
『存在証明』
自分が自分であること。
それには、何が必要だと思いますか?
それは、『人の想い』だと思います。
時輪めぐる様の書かれた『想い』
ぜひ、お読みになってください🤗✨
嘘とは悪いこと。
それは例えどんなことであっても、ついた側も、つかれた側も気持ちの良いものではないでしょう。
それでも、そのことで誰かが救われる。そんなこともあるかもしれません。
「のーらい・のーらいふ」
タイトルにあるこの言葉は、果たして物語においての誰の為のものなのでしょうか?
作者が意図している者。
読者がそう理解した者。
この二つは読む人によって変わってくるかもしれません。
「嘘なくして人生はない」
この人生とは?
途中で押し寄せる切ないまでの親子愛。
そして読み終わってから感じるミステリーの読後のような気持ち。
物語の構成と秀逸すぎるタイトル!
本当に皆さんに読んでいただきたい作品です\(^o^)/
ウソについて考えさせられます。人間だれしもウソをつきますが、程度があります。見栄を張ったり、人をからかったりするときにつくウソはまだかわいいものですが、利益を得るため、他人を利用するためのウソはまったく心地よいものではありません。
本作の主人公・マサナオは、そうした「心地のよくない」ウソをつく人間として登場します。母親は、嘘つきであるマサナオをいさめるのですが、反省した様子はまるで見られない。バイト先にも平気でうそをつき、ずる休みして慶弔金を巻き上げたりなんかする悪っぷりを発揮します。
そんな彼に転機が訪れます。驚天動地の転機が……。
中盤の展開からは心を揺さぶられました。
守るべきウソもある……そんな風に心変わりしました。愛情あふれるウソはもはや真実。誰が何を申し立てようと……。
そんな気にさせられるのです。
なんとあたたかい物語だろうって、読後に大きな満足を得られました。
主人公の宇津木正直は、ついつい「ウソ」をついてしまう。父がプロレスラーであるなどとウソをついて自分を守ろうとする。
そんな正直を母はいつも諫め、「ウソをつかない人生」が大事だと教え込む。
シングルマザーの母。実際の父の顔などは知らない。
正直はそんな生活を続ける中で、ふと「自分の出生に関する秘密」が垣間見えそうになるが。
本当に正しいこととは何か。ウソをつくのは悪いことか。良いウソと悪いウソとは。
そんな色々な問いを読者に投げかける終盤の展開。
正直の人生。正直と母との関係。その中にはいくつも「ウソ」が込められているのかもしれない。
でも、確実に「本当」だと言えることは存在している。
母がどれだけ正直を大事に思っているか。正直も母を大事に思っていること。
そして今が、幸せであること。
そんな「本当」を守るためなら、「こういう決断」をすることは許されるんじゃないか。
真に尊い「本当」と「ウソ」。そういった善悪を超えた根っこの部分について色々と考えさせられる作品でした。
正直と書いてマサナオ。
宇津木 正直。 ウツキ に、ソの一文字を加えれば、
ウソツキ マサナオになる。
そう彼は息を吐くように嘘をつく。
彼の都合で殺された、存在しない祖父は何人いるだろう?
彼の家で、存在しない猫が逃げれば、誰だって彼にノートを貸してしまう。
正直なだけが上手な生き方じゃない。
うまく嘘をつきながら、好きな人のために生きてきた。
彼が好きな人は、ひとりで自分を育ててくれた母親。
母親の笑顔のためなら、どんな嘘だってつける。それが正直(マサナオ)だ。
そんな彼の、「ノーライ・ノーライフ」な生活は、ある日突然、
母親の脳梗塞発症によって狂わされてしまう。
そこで、発覚するある事実とは……。
親子の条件とは、一体何であろうか。
正直にそれが、試される機会がやってくる……。
もう一度いうがこれは、少し意味は違うがトンビが鷹を産んだ話だ。
だが、この書を読み終えたら、あなたもきっとこう、言いたくなるだろう。
「この親にして、この子である」
と。
主人公は宇津木正直。うつき、まさなお。苗字の途中に「そ」を入れて「うそつき しょうじき」といじめられた。
実際、彼はよく嘘をつく。だから彼の母は、よく彼を諭した、「嘘つきは泥棒の始まり」と言って。
ある日その母が倒れたことで、彼の人生は変わらないまま、変わった。
素敵な作品に出会えました。なるほどこうなるとは。——なるほど、こう着地するとは。
悲しいお話ではないのに、じんわりと涙が出てくるような作品です。
私は残念ながらこの作品の魅力をうまく伝えられるような言葉を持っておらず、かといって感想をべらべらと述べてはこれから読まれる方々の楽しみを奪ってしまいかねないので、ただ「おすすめです」「ぜひ読んでみてください」とだけお伝えして、おしまいにします。
改めて、素敵な作品に出会えました。ありがとうございます。
基本的に世界は嘘で回っています
嘘をつけば楽に効率的に生きられるからです大なり小なり多くの人が嘘をついたことがあると思います。
この作品では自分の環境を少しでもよくして親への負担を少しでも軽減しようとするためにお金を稼ぐための嘘が出てきて嘘をつかなければもっと稼ぐことが出来ないという社会の現状に悲しくなりました
最近では、人との関わりが希薄になった現代ではソーシャルメディア上でのデマやネット上の誤情報などの多くの人の目にとまる場所や就職活動の面接、会社の広告や社内政治などのあらゆる場所で嘘がつかれています
それらが嘘だとはすぐにはばれません
嘘を調べる、真実を追究するにも労力がいるからです
この作品では様々な嘘の形が出てきて悪い嘘も良い嘘も出てくるので嘘について少しでも興味があれば是非読んで下さい
まず最初にめちゃくちゃ上手い!
一気に読まされました。
冒頭の俺は嘘つきだ。
この一行に、完全に心をつかまれました。
そして、主人公マサナオの 「嘘 」という性質が
母親によるしつけ、相対的な貧しさ、家庭環境による孤独から形成される主人公を取り巻く世界線で
生き抜くための主人公なりの処世術に最終的にすべて結びついていくのですが、
それが結果的に
嘘つきなのに、母親のために嘘をつく
嘘つきなのに、心が痛まない
嘘つきなのに、母の嘘(かもしれない)にゆらいでしまう
人としての軸がブレブレの主人公像につながっていきます。
でも、そのブレがとても人間として、美しいのです。ですからそのブレは、私には、とっても優しく、心地よいものに感じられました。
結果的に最後まで一気に読んでしまいました。
一言で言うと、とても良い作品でした。