聖なる夜に迎えに来て

平凡で引っ込み思案な高校二年生・橋本ひまりは、実らない初恋を引きずっている。
その相手は、中学からの親友・平峰和真（ひらみねかずま）。
かつて、ひまりと和真はいつも一緒で、ひまりは互いが唯一無二の存在であると信じていた。

二人の出会いは中学一年生のとき。
小学校で周囲に上手く馴染めなかったことが原因で、少し遠くの街から引っ越してきたひまり。
そんなひまりに和真が声をかけたことをきっかけに、二人は意気投合する。

好きな曲や好きな本、感性や性格に共通点の多かった和真とひまりは、互いが互いに親友だと認めるほど仲良くなった。
帰り道の方向も、二年・三年のクラスも同じで、さらに仲も深まる中、ひまりはいつしか和真に恋心を抱いていた。

中学三年のクリスマス、受験生ということもあり、和真の家で一緒に勉…続きを読む