概要
何とまあ、酔狂なことだ。
毎夜、寝所を訪う女の影。
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- ★★★ Excellent!!!ルール
ゲーテの書いた、
人類初のファンタジー。
『ファウスト』
ファウスト博士のもとを訪れた、ひょうきんな悪魔、
メフィスト・フェレス。
ファウストは、メフィスト・フェレスが入り込んだ侵入口を塞いでしまう。
外に出られずに困った、メフィストは言う。
「悪魔は忍び込んだ場所からしか、出られないのです」
このくだり、ゲーテが勝手に考えたルールです。
ソレがおもしろい!
お話は、作者が勝手にルールを作れます。
そして、そのルールに基づいてお話が進むと、我々読者はとても、その世界に入り込んでしまう。
現代のゲーテ、二ノ前はじめ様。
彼が作り出す世界のルール。
破ったときのペナルティがコワそう😓💦
そのコ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!子守唄
気味な子守唄から始まる導入が、読者を一瞬で夜の気配と畏れに引き込んでゆき、とても印象的でした。
姿を現さず、ただ障子越しに声と影だけで迫ってくるその存在感は、派手な恐怖ではなく、じわじわと心の底を撫でまわすような不穏さに満ちています。
また、物語が進むにつれて、主人公の心が揺らいでいく様が巧みに描かれていたことにも惹かれました。
初めはただ怯え、必死に“寝たふり”で拒んでいたはずの主人公が、次第にその訪問を待つような、あるいは安らぎすら覚えているような雰囲気へと変化していく。
最後に到り、これは主人公が自ら受け入れてしまったのか、それとも妖狐の妖力に魅入られ、知らぬ間に心を侵食されていっ…続きを読む