怖くて、やさしい

その影は夜な夜なやってきます。

「ねんねんころりよ、おころりよ」

子をあやすように頭を撫で、子守唄を歌う影。
ときには三味線を弾いたり、おとぎ話を聞かせたり。
怖いはずなのに、やさしい。
どこか憎めなくもある。

読んでいくうちに、私たちは思ってしまうのです。
まだしばらくは、この訪いが続いてほしいな、と。

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