夜な夜な訪う化生の女。甘い声で語られる寝物語。厳しく律した男子の心に染み込む母性。「魅入られている」と気付いた時にはもう遅い。暗闇の中で温もりに酔い、濃密な空気感にうっとりしてしまいます。
ライト文芸くらいを目指しています。 本業は未就学児に関わらない保育士です。
気味な子守唄から始まる導入が、読者を一瞬で夜の気配と畏れに引き込んでゆき、とても印象的でした。姿を現さず、ただ障子越しに声と影だけで迫ってくるその存在感は、派手な恐怖ではなく、じわじわと心の底を撫…続きを読む
その影は夜な夜なやってきます。「ねんねんころりよ、おころりよ」子をあやすように頭を撫で、子守唄を歌う影。ときには三味線を弾いたり、おとぎ話を聞かせたり。怖いはずなのに、やさしい。どこか…続きを読む
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