第3話 カクゴして

現場に入ると多少安心するメンバー。

事務所同期やよく共演する先輩。

...あれは別事務所の新人さんかな。

挨拶苦手なんやけどな。


新田「おはようございます。よろしくお願いします。」

能登「おはようございます。よろしくお願いします。」

高橋「新田さん、初めまして!フリュームプロダクションの高橋みゆと申します!よろしくお願いします。」

新田「あぁ、カルセルトプロダクションの新田陽依です。丁寧にありがとう。よろしくお願いします。」

能登「あ、俺も挨拶せなかんな。亜竜興業の能登遼太です。よろしくお願いします。」

新田「能登さん、1人1人挨拶。」

能登「ありがとう。行ってくるわ。」

堀江「あれ、あらちゃん同伴出勤?」

新田「言い方悪いですよ。はなさん。」


彼女は堀江芳乃。

同じ事務所の同期。同期1読みずらい名前でほりえはなのと読む。私より少し歳上で時折言葉遣いがおばさんっぽくなる。

嫌いでは無いが苦手な人筆頭。


堀江「なんかあの人とっつきづらそうだね。」

新田「あぁ、そうですね。」

堀江「仲良くなっても深くは見えなそう。」

新田「そういう人間がいちばん面白くないですか。」

堀江「分かる。声優としては観察対象だよねぇ。」

新田「多分本人はそんなこと思ってないでしょうけど。」

能登「ん?俺の話?あ、堀江さん、初めまして。亜竜興業の能登遼太です。よろしくお願いします。」

堀江「あらちゃんと同じカルセルトプロダクションの堀江芳乃です。なかなか名前覚えてもらいにくいんだけど最終話までに覚えてもらったら嬉しいわー。」

新田「能登さん苦手そう。」

能登「別にそんなことないで?...まぁ、大きく否定はせんけど。」

堀江「頑張ってね。」

能登「あ、はい。」

新田「そろそろ始まりますよ。」

能登「俺、あの人苦手やわ。」

新田「あぁ、見ただけで分かります。」

能登「え、俺分かりやすい?比較的表情ないって言われる方なんやけど。」

新田「能登さんは表情よりも声に出やすい人だと思いますよ。」

能登「声かぁ、気にしたこと無かったわ。よう見とるな。」

新田「お笑い好きですからね、見てますよ。」

能登「普段の寄席とは全然ちゃう雰囲気。緊張するわ。」

新田「ですよね。楽しんでください、やり取りを。」

能登「新田さんとなら楽しめるんちゃうかな。絶対逃げへんやろ?笑いから。」

新田「逃げるわけないじゃないですか。こんなに楽しいこと。」

能登「やっぱり芸人の素質あるわ。本当に変な人やな。そういう所すきやで。」

新田「全然嬉しくないです。」

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