概要
どこかの世界の、誰かの話を短く綴ります。
貴方の感じたものが物語の答え。
読んだ君は何を感じた?
一話完結。更新は気まぐれに。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!わたしたちの「正しさ」、本当にそれ、正しい?
とある世界の片隅の図書館… 「読んだ君は何を感じた?」と問いかけるダーク・ファンタジー集です。「 天使に力を与えられながら虐げられた少年」「敵を信じて戦い続けた蛮族の王」「理不尽なシステムの中で仕事を続けた処刑人」「最悪だと言いながらも最後まで生きようとする乞食」「女王のために禁忌を犯した騎士」「ただ空腹を満たしただけの獣」「合理と正しさに徹した機械仕掛けの神」「怪物と人間のあいだで揺れる青年とアラクネ」「一瞬の開花を永遠に描き続ける画家とクロリス」などなど。それぞれが「幸福」「罪」「救い」「意味」をめぐる選択をして悲劇や余韻を残します。まるでいろんな国を旅していろんな経験を積んでいくようで…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!善意と正しさを静かに揺さぶる、良質な寓話集
全24話を通して読みました。
一話完結の短編形式ですが、読み進めるほどに、一つのテーマ性を持って描かれている物語群であることが分かってきます。
特に二話目の「幸せの天使と不幸な少年」は、絵本のような書き出しとやさしい文体で始まりながら、最後に強い問いを残す一編でした。
読後に思わずコメントを残したのを覚えていますが、本作全体の方向性をよく表している話だと思います。
善意や正しさ、救いといったものが、必ずしも幸福につながらない。
登場人物たちは皆、自分なりの理由を持って行動し、その結果として破滅や孤独に行き着きます。
誰かを裁く物語ではなく、読む側に考えさせる余白を残す構成が一貫して…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「“幸せ”は奪うものだった――その結論が変わる瞬間まで」
「幸せは、奪えばいい。」
その一行にたどり着くまでの過程が、痛いほど丁寧で、だからこそ恐ろしい。
祈っても救われない少年に、気まぐれな天使が“幸せを手に入れる力”を貸す。
少年は善意で使ったはずなのに、返ってきたのは「死霊術だ」「悪魔だ」という石と炎。
その瞬間、世界の見え方がひっくり返る。
少年は“幸せ”を学ぶのではなく、“奪う”ことで手に入れようとしてしまう。
そして物語は、焼け野原の果てで出会う「最後の村」の女によって、もう一度ひっくり返る。
見えない目、傷だらけの体、ひとりきりの祈り。
彼女の「ありがとう」が、少年の中に残っていた“人間”を呼び戻してしまうのが、あまりにも切ない…続きを読む