概要
赤信号は、止まれの合図か。それとも、向こう側からの誘いか。
昼夜を問わず車が行き交う大通り。その喧騒を抜けた先、路地裏にひっそりと佇む小さな横断歩道がある。道幅は狭く、交通量も少ない――それなのに、そこには信号機と横断歩道が厳格に設置されている。
地元では、奇妙な噂が囁かれていた。
赤信号のとき、地蔵の前に少女が現れ、「おいで、おいで」と手招きするという。そして、誘われるように歩行者が足を踏み出し、車に飲み込まれる――。
好奇心に駆られた主人公は、霊的な現象を目撃するため、あえてその横断歩道を使い続ける。だが、ある秋の夜、信号の前で聞こえてきた「通りゃんせ」のメロディが、すべてを変えてしまう。
地元では、奇妙な噂が囁かれていた。
赤信号のとき、地蔵の前に少女が現れ、「おいで、おいで」と手招きするという。そして、誘われるように歩行者が足を踏み出し、車に飲み込まれる――。
好奇心に駆られた主人公は、霊的な現象を目撃するため、あえてその横断歩道を使い続ける。だが、ある秋の夜、信号の前で聞こえてきた「通りゃんせ」のメロディが、すべてを変えてしまう。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!夕暮れの横断歩道。陌間に漂うモノは。
大通りを抜けた先に、小さな横断歩道が
ある。そこは車の量も多い訳ではないが、
必要以上に事故への
注意喚起がなされている。
夕暮れの空に鳴り響く『とおりゃんせ』の
物悲しいメロディ。物言わぬ路傍の
お地蔵様。ひっそりとした供花が、その
場所を物語る。
横断歩道には少女の幽霊が出る。車道へと
手招きをする。
不穏な噂のあるその場所を興味本意で
利用する主人公の目の前に、いや、背後に
現れた モノ とは。
兎に角、物悲しい夕暮れの中で無慈悲にも
行き交う車と無機質で空恐ろしい
電子音が、否応無しに焦り焦りとした
緊張感をもたらして来る。
怖い、でも…気になる。そんな心の隙間に
響く怪…続きを読む