日常系ファンタジー小説の傑作!こんな喫茶店に私も行きたい!

 私はコーヒーが大好きです。熱々のブラックコーヒーを飲みながら食べるチョコレートケーキは最高ですし、休日の昼下がりに飲むカフェラテには至福を覚えます。コーヒーに砂糖を入れる感覚だけは理解できませんが、それもまた楽しみ方としてありなのでしょう。

 コーヒーと一口にいっても、その種類は多岐に渡ります。そしてそれと同じく、この作品も多種多様な味わいを読み手に与えてくれます。
 ときには甘酸っぱい物語を。ときにはビターな物語を。ときには熱く燃えるような物語を。そして、ときには腹を抱えて笑う物語を。
喫茶店という場所と、そこを訪れる個性豊かなお客さんたち。彼らが織り成すドタバタ劇は、つねに新鮮な楽しみを味あわせてくれます。決して短くはないこの作品を一気読みしてしまったのは、ひとえにその多様な魅力ゆえなのだと思います。
 そして、一気読みしてしまったからこそ、私はこれから読む方にこう言いたい。1日に1話ずつ、じっくり読んでくださいと。コーヒーを楽しむときと同じです。まずは香りを楽しみ、口にふくんで味わい、その余韻に浸る……そんな楽しみ方ができるのも、この作品の素晴らしい点であると思います。

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