世界が知るべき問題。

 ある種の諦観を持って、世界の広さを知った主人公。その世界には、世界が目を向けてこなかった問題が、山積していた。世界が知るべき問題だった。しかし、知らずに過ごしてきた問題でもあった。もしかしたら、意識的に、恣意的に目を背け続けてきたのかもしれない。
 「敵」や「悪」とされるであろう主人公がいるのは、今も世界の片隅にある現実だ。そしてその現実は過酷である。「ペン」を持つことができなかった人々を、作者様が「ペン」を持って代筆したような物語。この作品を読んで、知るべきことがここにある。
 世界の問題を突きつけるように描かれた意欲作。
 是非、ご一読ください。

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