日常のなかにある恐怖への扉

短く切れ味鋭いホラー集です。

ほぼ全編通して共通するのは、登場人物は決して特別な人間ではないということ。霊能力があることを吹聴したり特異な体験を求めたりはしない、ごく普通の生活人。
実はその平穏な生活は、まるでコップのふちギリギリまで水で満たされたようなもので、わずかな振動を加えるだけで破局してしまう。

これらのストーリーのなかの人物に自分は決してなり得ない、と言い切れないところが、この作品の魅力だと思う。

気付いていないだけで、あなたのすぐそばに恐怖への扉はあるのかも――

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