こういうタイプ作品を読んだのは初めてなので――

――あまり参考にならないかもしれませんが、せっかくなので少し感想を並べていきます。

まず、この作品は音楽、その中でもテンポを重視したジャンルを主軸とした物語を展開していくのですが、それに対して文章の構成に堅さ、重鈍さが感じられます。
例えば、地の文の初めにスペースがあけられていません。地の文にスペースを開けないこと自体は珍しくありませんが、行をあけるなどの工夫もされていないので、偶に、会話文が終わっているということに気付かず読み直させられます。
これが主人公の音楽に対する真面目でひたむきな姿勢を表現しているのだとすれば問題ありませんが、とにかく余白がないので参考書を読んでいる気分になってしまいます。
実際、私はこういったタイプの作品を読んだ経験が少ないので勉強のために読み進めているような心境になりました。


それから、歌っているシーンで「、」などを使っていますが、スペースにした方がリズム感というものがより伝わるかと思いました。

なんだかめちゃくちゃ言いたいことを言ってしまっていますが、物語自体はじっくり追っていけばかなり熱い展開が繰り広げられてとてもひきこまれるので、他人に勧めても恥ずかしくない作品となっています。

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