戦国乱世の運命の残酷さに震え上がる衝撃のラスト。

 掌編ですが、掌編ならではの技巧で書かれている作品です。最初のうちは場面転換のたびに「あれ?」と困惑しますが、その困惑も最後まで辿り着くと読み手に「もしやこうなのでは?」「ひょっとしてああなのでは?」と想像させるための作者様の技だったのだということが分かります。
 そ、その発想はなかった。
 架空とあるのでおそらく実在の家ではないのでしょうが、というかこんな家があったら大変だよ!と心から思いますが、それも乱世の習いですから……もしかしたら、どこかでは似たようなことがあったかもしれませんね……。騙されたと思って、時代物だと思って読んでもまったく差し支えのない硬派さ。かっこいいです。

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