初めて物語に触れたときのわくわくを思い出しました。

 陽当たりの良いテラスで、ミルクティーを片手にゆったりと読んでいたいような、そんな作品でした。ちょっぴり不思議で、どことなくダークで、時々くすりとさせられる。
 もっともっと早くに、この作品に出逢いたかったです。もし幼いときにこんな作品を読み聞かせてもらえたら、どれほどわくわくしていたか、わかりません。

 児童文学のような優しい語り口で、けれど大人の優雅な休息に似合う、子どもにはちょっと悪影響なくらいの、刺激的なブラックジョークもあって、
 誰に勧めたら良いかわからないけれど、きっと誰でも楽しめてしまうような、そういう不思議な魅力がたっぷりと詰まっていました。

 子どもが大人になったときに、必ずまた読み返したくなる作品です。でも、今からでも遅くありません。童心に返って、初めて自分で本を開いたときのわくわくを、思い出してください。

 おすすめです。
 是非、ご一読ください。

(第三話まで読んでのレビュー)